アメリカの機密解除された文書によって、CIAによる衝撃の計画が検討されていたことが明らかになった。それは脳に電極を埋め込み、電気刺激を送って動きを制御した犬を用い、人間の望むように動かすという計画だった。
この計画はProject MKUltraの一部として行われたという。これは1953年から1973年の間に米国政府によって行われた、(しばしば違法なものを含む)マインドコントロール実験の秘密計画であった。
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FOIA(Freedom of Information Act)の要請により公開された文書によると、これらの実験のうちの1つに「人間のオペレータによる命令に応じて基本的な行動を実行できる6匹の『マインドコントロールドッグ』の生産」が含まれていたという。
そして資料の中には「電気的な脳刺激を通して、犬の自由行動を制御するための実証された手順」についての解説もあった。そして具体的な目的として、脳の電気刺激を遠隔的に引き起こされた犬の行動を野外で制御できるかも行われていたらしい。
具体的には、犬の脳の特定の深部構造に伝達される電気刺激の2つの特性に対する有効性に依存している。報酬効果と、そのような刺激が伴う運動を開始および維持する傾向の刺激を継続的に提供することで犬を遠隔操作しようとした狙いがあるという。
このような制御を可能にするために、まず犬の脳に電極を埋め込んでから、電源とそのハーネスに取り付けられた刺激装置をワイヤーで繋ぐことが必要だった。しかし、結局このシステムは有効距離が限られているなどの難点を抱えており、実際に採用されたりはしなかったという。
同様の実験が人間をも対象になっていたかどうかは今のところ不明だそうだが、いずれにせよ生命倫理に反するものであることは間違いないだろう。現在も計画が進んでいないことを祈るのみである。
(勝木孝之 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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