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20年越しの成就! 自然界のフラタクルをレーザー光で作り出すことに成功

Credit: Wits University / レーザー光でつくられたフラクタル
Point
■レーザー光でフラクタルを作り出せることが判明
■大きなものは小さく、小さなものは大きく見える曲線を描く鏡で作った望遠鏡の内部で、フラクタルが形成
■このフラクタルは平面ではなく、立体で存在する可能性も

雪の結晶、雲の姿、貝殻の曲線…。自然界は美しく、複雑な形に満ちています。これらを拡大してみると、同じパターンの図形を繰り返し、全体像と図形の一部分が相似になる「フラクタル」が姿を現します。

たとえば、海岸線はフラクタルの代表。人工衛星から海岸線を見ると全体が複雑に入り組んでいますが、それを少し拡大して一部を見ても、同じような入り組みがまた出現します。このように、海岸線はいくら拡大しても同じような入り組みが続きます。

最近の研究で、レーザー光でフラクタルを作り出せることが明らかになりました。南アフリカのウィットウォータースランド大学の物理学者アンドリュー・フォーブス氏らによる論文が、雑誌「Physical Review A」に掲載されています。

20年前に予測されていたレーザー光フラクタルだが…

レーザー光は、2つの向かい合う鏡から成る箱のようなものと考えることができます。「光子」と呼ばれる光の粒が両側の鏡面に跳ね返りながら、多くの原子にぶつかって励起します。すると片側の鏡はカーブしているため、光子の一部はある角度に弾き落とされ、対面の鏡にぶつかることなく放出されます。この「逃げ出した光子」こそが、私たちが目にするレーザー光です。

この「逃げ出した光子」からフラクタルを作れるという仮説は、実は20年以上も前に登場していました。ですが、実際はそうではなく、「箱の中」を見る必要があることが明らかになったのです。外に出る光ばかりに目を向けていた研究者たちは、まさに「灯台下暗し」と膝を叩いたことでしょう。

レーザー光によるフラクタル形成に成功

フォーブス氏らは、レーザー光でフラクタルを作り出すため、カーブした鏡を使って「望遠鏡」のような装置を作成。鍵を握ったのは、遊園地にある鏡の迷路のように、歪んだ形を映し出すよう特別な加工を施した鏡でした。大きなものは小さく、小さなものは大きく見える「魔法の望遠鏡」を通り抜ける時、光は拡大されたり縮小されたりして映ります。

Credit: Physical Review A

実験の結果、フォーブス氏らは、ある地点で「映像の中に映像が、そしてその中にまた映像が映る」という奇妙な構造、つまりフラクタルが形成されることを発見。鏡のカーブを調整することで拡大率を変え、さまざまな種類のフラクタルを作り出しました。

また研究チームは、画像化システムを作成し、レーザー光の内部で作られたフラクタルを、スクリーンに映し出すことにも成功しています。自然界に存在するフラクタルが原子レベルまで繰り返されるのと同じように、そのパターンは光の波長に達するまで続きました。

このフラクタルは立体でも存在?

さらに、このフラクタルは平面ではなく、立体でも存在する可能性があるのだとか。つまり、フラクタルが映った平面に対し、それを垂直に切り取った時に、まったく同じパターンが見られるかもしれないのです。

フォーブス氏らは純粋な興味からこの実験を行ったに過ぎず、レーザー光が作り出したフラクタルを何らかの技術に活用することは今のところ考えていません。とはいえ、この発見が、物体の表面だけでなく、複数の側面を同時に捉えることができる顕微鏡や画像化システムなどの開発に繋がる可能性も。複雑さを備えた光だからこそ、複雑な物体を調べるには最適なのかもしれません。

 

人工のレーザー光が生み出す美しき万華鏡の世界は、まだまだ大きな力を秘めていそうです。

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reference: livescience / translated & text by まりえってぃ