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1300光年離れた若い星から「有機物質」を発見

Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)
Point
■V883 Oriは1300光年にある若い星で、アウトバーストと呼ばれる強い放射現象をおこしている
■アウトバーストによる放射で、氷が溶ける限界ラインであるスノーラインが外に押し出されて広がっている
■スノーラインが広がったことで、アルマ望遠鏡による有機物質の検出が可能となった

宇宙には生物の材料となる有機物質が存在することが、地球から1300光年ほど離れた若い星の新星の観察により発見されました。

この星は、V883 Oriと呼ばれる成長中の星で、物質の流入によってアウトバーストが起こり、周囲のスノーラインを外へ押し出しています。スノーラインとは氷状の物質が昇華する温度を境にできるラインで、この氷の中に有機物質が閉じ込められていることが判ったのです。発見は「Nature Astronomy」で発表されています。

The ice composition in the disk around V883 Ori revealed by its stellar outburst
https://www.nature.com/articles/s41550-018-0680-0

スノーラインは通常、恒星の近くに存在しているため、詳細に見ることは困難です。しかし、V883 Oriのスノーラインは広がっているため、アルマ望遠鏡によって実際に観測することができました。

アルマ望遠鏡の解像度の高さと、V883 Oriがアウトバーストを起こしていたおかげで、昇華によって放出された、メタノール、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、アセトニトリル、アセトンといった複雑な有機分子を特定することができました。こういった発見において、アセトンが確認されたのは今回が初めてです。

太陽系の周りでも有機分子が飛び回っていることがわかっているため、天文学者達はこういった有機分子に長らく興味を示してきました。何処かで初期段階の有機分子を見つけることができれば、太陽の誕生から地球での生物の繁栄にまでわたる、私達の進化の起源に迫ることができます。

宇宙にはこういった分子が、特に彗星の中などには豊富に存在します。しかし、それを突き止めて観察するのは困難です。V883 Oriは、スノーラインを10倍も押し上げることで、発見の特別な好機を与えてくれました。

若い星の周りにある原始惑星系円盤の周囲にあるスノーラインは、通常チリに覆われているため、アルマ望遠鏡であってもそこで何が起こっているのかを明瞭に見ることはできません。しかし、アウトバーストが起こった恒星では、氷の溶けるスノーラインが外へと押し出されることで、構成分子の解析が容易になります。

このアウトバーストは、「オリオン座FU星型バースト」と名付けられており、外のディスクから恒星へと物質の流入が増えることで起こります。こういったアウトバーストは通常100年近く続くので、さらに詳しい解析をする十分な時間があります。

 

彗星を探索した着陸機フィラエによって、67P/C-G彗星において、いくつかの有機物質が発見されています。生命誕生の手がかりとなる発見ですが、今回の発見は、若い恒星系においても、有機物質が存在することを実証しています。これらの有機物質から将来、生命が生まれるということもあり得るかもしれません。

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referenced: Science Alert / written by SENPAI