都市伝説・考察・陰謀・不思議・オカルト

高齢者の「嗅覚の衰え」は認知症につながっていた

Credit: depositphoto

Point

■ミシガン州立大学の研究では、高齢者における「嗅覚の衰え」と「認知症」の発症に強い関連性があることが判明

■高齢者2200人以上を対象にした実験では、嗅覚の「悪い」人は「良い」人よりも10年以内の死亡率が46%も高かった

■特に嗅覚の衰えは、神経細胞が退行する「神経変性疾患」になる可能性が最も高い

高齢者の「匂いがしなくなってきた」は危険なサインかも。

ミシガン州立大学の研究によると、嗅覚に衰えは認知症の発症と大きくリンクしていることが判明した。さらに、嗅覚の悪い人は良い人に比べて、10年以内の死亡率も高かったことが分かっている。

専門家によれば、嗅覚の衰えは記憶力低下など目に見える症状が現れる前から始まるので、認知症の早期発見に役立つことが期待されているようだ。

研究の詳細は、4月30日付けで「Annals of Internal Medicine」上に掲載されている。

Relationship Between Poor Olfaction and Mortality Among Community-Dwelling Older Adults: A Cohort Study
https://annals.org/aim/article-abstract/2732078/relationship-between-poor-olfaction-mortality-among-community-dwelling-older-adults

嗅覚レベルの低さは死亡率の高さにつながっていた

研究チームは、2000年から13年以上に渡って続けられた「嗅覚テスト」のデータを分析した。

テストには71〜82歳の高齢者(計2200人以上)が参加している。

被験者はまず12種類の匂いを嗅いで、実験者の提示する匂いに一致するものを4つの選択肢から選んだ。その正答率をもとに被験者の嗅覚レベルを「良い」「普通」「悪い」の3つにグループ分けした。

Credit:pixabay

さらにテスト期間中に亡くなった被験者の死因も調査。この間におよそ1200人の被験者が亡くなっているが、嗅覚レベルの悪い人は良い人に比べて10年以内の死亡率がなんと46%も高いことが判明したのだ。

特に嗅覚の衰えは認知症およびパーキンソン病とのリンク傾向が最も強く、次は心血管疾患で、ガンや呼吸器疾患との関連性は見られなかった。

嗅覚の衰えは「神経変性疾患」との関連性が強い

またデータ分析の結果、嗅覚の「悪い」被験者の22%が「神経変性疾患」の病気にかかっていることも明らかとなっている。

神経変性疾患は神経細胞に退行性の変化が起こる病気で、アルツハイマーやパーキンソン病がその代表だ。

さらに嗅覚というのは、神経変性の影響を最初に被る器官の1つでもあるため、嗅覚の衰えは深刻な病気の早期発見を可能にすると期待されている。特に嗅覚以外に身体の異常が見られない場合は、大きなサインとなるようだ。

Credit:pixabay

 

しかしこの結果は高齢者だけに限定されており、若年層にも同様の関係性が見られるかは分からない。また嗅覚異常がどのようなメカニズムで認知症につながっているのかも詳細は不明だ。

 

これまでも「匂い」と「記憶」は大きく関連しているという研究が数多く発表されている。もしかしたら「匂わなくなる」ことで想起の扉が閉じられて、記憶力の低下につながるのかもしれない。

匂い、食べ物…「幸せな夢」を見るための11の行動。現実が夢の内容を変える

reference: theguardian / written & text by くらのすけ