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超巨大ブラックホールから「光速の99%の速度」でジェットが発射されていた

Credit:NASA / Dana Berry / SkyWorks Digital
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  • 初めて撮影されたブラックホールから、光速の99%の速度でジェットが発射されている
  • ジェットが発射されるのは、真空が生み出した負のエネルギーを持つ粒子をブラックホールが奪ってしまったから

M87銀河の中心にあるブラックホールは去年、初めて映像として撮影に成功したブラックホールです。

ブラックホールには2つの顔があります。一つは全てを吸い込む重力井戸、もう一つは猛烈な高エネルギーの粒子のジェットを発射する噴射機です。

これまで研究者はブラックホールの観察を行ってきましたが、いくら観察を続けていても、ブラックホールの内部はわかりません。

そこで今回、研究者たちはブラックホールから噴出するジェットに集中して注目。その速度を正確に測定した結果、ジェットの速度が光速の99%を超えていることが明らかになったのです。

詳細は1月8日付でNASAの公式HP上に報告されています。

なぜブラックホールからジェットが噴出するのか?

Credit:pixabay

全てを飲み込むはずのブラックホールからなぜジェットが噴出しているかは、長年、不思議とされてきました。

しかし、天才スティーブ・ホーキンス博士によって、ブラックホールからジェットが飛び出てくる原理が判明。この宇宙では何も物質が存在しない真空であっても、空間そのものにエネルギーのゆらぎとしての性質があったのです。

この空間のゆらぎでは、真空であっても、正のエネルギーを持つ粒子と負のエネルギーを持つ粒子のペアが対生成されては、直後に対消滅を起こして消えていく現象が起きています。

またブラックホールには中心から一定範囲に、これ以上入ったら出てこれないとされる「事象の平面」と呼ばれる境界を持っています。

通常の空間ならば、ゆらぎから産まれる粒子ペアは対消滅してこの宇宙からいなくなりますが、ブラックホールの事象の平面で粒子ペアの生成が起こると、負のエネルギーを持つ粒子が、対消滅の相手に、自分と一緒に生まれた相手ではなく、圧倒的な質量を誇るブラックホールを選んでしまうのです。

負のエネルギーの粒子は質量も負であり、飲み込んだブラックホールはその分、質量を減らす必要に迫られます。

そのため、減った分の質量に相当する、高エネルギー粒子を放出することで、宇宙が定めた質量保存の法則に帳尻をあわせようとします。

ブラックホールから放出されるジェットは、このときに放出されます。

M87銀河のブラックホールは巨大化したのか?

ブラックホールから、ジェットが5000光年に渡り伸びている/Credit:universetoday

ジェットの勢いはブラックホールが巨大であるほど強い傾向にあります。

M87銀河のブラックホールから放出されるジェットは非常に多く、ハッブル望遠鏡によって5000光年に渡ってジェットの帯が伸びている様子が撮影されました。

しかし、どうしてM87銀河のブラックホールはここまで巨大化してしまったのでしょうか?

その謎は、M87銀河の多すぎる星団数に隠されていました。星団が銀河の周辺に生じる原因として最有力となるイベントは、銀河同士の衝突による星の拡散です。

銀河同士の衝突が起きると、大部分は時間をかけて融合していきますが、なかには周囲に飛び散るものもあり、ビッグインパクトによって月ができたように、銀河の周辺に独立した星団を形成します。

私たちの住む天の川銀河系では星団の数は200集団ほど確認されていますが、M87銀河の星団数は12000集団を数えます。

星団の数が多いということは、それだけ激しい銀河衝突を繰り返した可能性があり、銀河同士が衝突することで、中心部のブラックホールも融合して、巨大化したと考えられます。

ブラックホールによって噴射されるジェットは極太のビーム砲であり、4億5千万年前の地球で起きた大量絶滅も、このジェットが地球を直撃したためだと考えられています。

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reference: sciencealert / written by ナゾロジー編集部