都市伝説・オカルト

見えない友だち「イマジナリーフレンド」は大人になっても影響あるの?

Credit: pixabay

子どもの頃、想像上の見えない友だち「イマジナリーフレンド」がいた人は珍しくないでしょう。「子どもが見えない誰かと喋ってる…」と心配する親もいますが、イマジナリーフレンドは現実の友だちと同じように、子どもの社会性の発達にとって重要な役割を果たします

でも成長するにつれてイマジナリーフレンドが姿を消すと、一体何が起きるのでしょうか?大人になってからも、人格に影響を与えるのでしょうか?はたまた、大人になってもイマジナリーフレンドが姿を消さなかったとしたら…?

イマジナリーフレンドに関する研究の多くは、幼少期におけるイマジナリーフレンドの機能に焦点を当てています。そこで、英ヨーク・セント・ジョン大学のペイジ・デイヴィスらは、イマジナリーフレンドが思春期の若者や成人にどのような影響を与えるかを調査。幼少期にイマジナリーフレンドがいた人は、そうでない人と比べてより多くの幻覚体験を持つことを突き止めました。論文は雑誌「Psychiatry Research」に掲載されています。

Adult report of childhood imaginary companions and adversity relates to concurrent prodromal psychosis symptoms
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0165178118318882?via%3Dihub

大人になってもイマジナリーフレンドを持ち続けるケースはかなりレアですが、小説家が作り出す架空のキャラクターを一種のイマジナリーフレンドと捉えることも可能です。独自の個性や思考を持つ登場人物たちが「勝手に物語を進めてくれる」と語る小説家もいるほどです。

Credit: pixabay

イマジナリーフレンドが思春期の悩み解決に役立つ

幼少期にいたイマジナリーフレンドを思春期以降も覚えていることには、メリットがあります。「悩みを自分の内側に抱え込む代わりに、周囲の親しい人たちの助言を求める」といった能動的な問題解決の方法を身につけられることもその1つ。これは、気の合わないクラスメートとのトラブルに巻き込まれるよりも、周囲の現実を想像の力で補完する方を選ぶことができるからです。

また、イマジナリーフレンドには、思春期特有の孤独感を軽くしたり、社会的なつながりを築いて、いじめなどにうまく対処する能力を高める役割もあります。思春期になってもイマジナリーフレンドを覚えている人は、ラッキーですね。

大人になってもイマジナリーフレンドを覚えている人は独り言が多い?

一方、大人ではどうでしょうか?

大人になってもイマジナリーフレンドを覚えている人は、創造性や想像力に優れ、自分の頭の中で想像した場面を描写することが得意なのだそう。これは、もとから想像力が高いためかもしれませんし、幼少期にイマジナリーフレンドと遊んだことが想像力を高めてくれるためなのかもしれません。

Credit: pixabay

また、子どもの頃、想像力をフル回転させながらイマジナリーフレンドとの遊びを楽しんだかどうかで、大人になってからの世界の見え方や世界との関わり方がかなり変わってくるのだとか。

たとえば、イマジナリーフレンドを覚えている人は、独り言が多いそう。これは、実際には近くに誰もいない時でも、おしゃべりすることにためらいを感じないように育つからです。面白いことに、独り言は、高次認知機能や創造性を示すことが分かっています。

子ども本人はあくまでも「幻覚」と認識

これまでイマジナリーフレンドは、子どもの発達過程の中で現れる幻覚の一種だと考えられてきました。

重要なのは、子ども本人はイマジナリーフレンドが現実には存在しないことを理解し、あくまでも「幻覚」として認識していることです。ちょうど、寝入りばなや寝ぼけているときに変なものが見えたり、おかしな音が聞こえたりしても、大人がそれを幻覚だと認識しているのと同じですね。

幼少期にイマジナリーフレンドがいた人が、多くの幻覚体験を持つことを明らかにしたデイヴィス氏らですが、興味深いことに、そうした人々は精神病や統合失調症を患うリスクが高いわけではありませんでした。

あくまでも強い幻覚が、異常な思考やうつなどの症状と組み合わさった場合にのみ、精神疾患が引き起こされるリスクが高まるようです。幼少期にイマジナリーフレンドがいた人にはこうした症状の組み合わせが見られませんでした。

Credit: pixabay

ですが、幼少期に虐待を受けた場合は例外でした。虐待を受けた人は、その影響で異常な思考やうつの症状を持つことが多く、そのために精神疾患を患う傾向が強いのです。この相関が、イマジナリーフレンドと関係しているか、またすべては虐待によるトラウマのせいなのかは分かっていません。ひょっとしたら、イマジナリーフレンドが慰め役を務めてくれているのかもしれません。

 

想像力・創造性・問題解決・社会性・認知機能…など、大人になってからも人格にプラスの影響を与え続ける「目に見えない友だち」。「イマジナリーフレンドがいるなんて、『不思議ちゃん』って思われるかも…」と気にすることなく、見えない友情の糸をつなぎ続けていきたいですね。

知り合いから「親しい友だち」へ必要な時間は「200時間」

reference: theconversation / translated & text by まりえってぃ