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若いマウスの「骨髄」を高齢マウスに移植して、認知機能の低下を防ぐことに成功

Point
■若いマウスの骨髄を年老いたマウスに移植すると、年老いたマウスの認知能力の低下が妨げられることが分かった
■若いマウスからの移植を受けたマウスは、脳の記憶を司る「海馬」におけるシナプスの結合が多く見られた
■ これを人間に応用することは難しいが、幹細胞培養テクノロジーを用いることで将来的には可能になるかもしれない

まるでホラー映画かSF映画の設定のよう…。

新たな研究により、若いマウスの骨髄を年老いたマウスに移植すると、年老いたマウスの記憶や学習能力といった認知機能の低下を防いでくれることが判明しました。

Young bone marrow transplantation preserves learning and memory in old mice

https://www.nature.com/articles/s42003-019-0298-5

若い血は「シナプス」を増やす

研究をおこなったヘレン・グッドリッジ博士は、「これまでの研究で、若いマウスの血を年老いたマウスに注入すると、年老いたマウスの認知能力が回復することは分かっていました。しかし、なぜそのようなことが起こるのかはっきりとしたことは分かっていませんでした。そして今回の研究によって、その1つの答えが若い血液細胞の特異性にあることを示しています」と語っています。

「Communications Biology」に掲載されたこの研究では、生後18ヶ月のマウスが「生後4ヶ月のマウス」と「同い年」のマウスから骨髄移植を受けました。そしてその6ヶ月後、両グループに学習能力、空間把握能力、ワーキングメモリについてのテストを実施。その結果、若いマウスからの骨髄移植を受けたマウスの方が優れた結果を示したのです。またそのグループは、いずれのマウスからも移植を受けていないグループよりもいい結果を出しました。

研究チームは、マウスの脳内において記憶に関連するエリアである海馬を調査しました。すると、若いマウスからの骨髄移植を受けたマウスの海馬では、年老いたマウスからの骨髄移植を受けたマウスと比べて、シナプスとして知られるニューロンの接合部により多くの連結が確認されたのです。ニューロンの数については両者に違いは見られませんでした。このことから、脳のパフォーマンスにはシナプスが重要な役割を果たしていることが分かります。

現時点で人間への応用は難しい

さらなるテストにより、シナプスが失われる原因の1つが示されました。若い骨髄から作られる血液細胞は、脳内でミクログリア(小膠細胞)と呼ばれる免疫細胞の活性化を妨げることが分かったのです。ミクログリアはニューロンの健康を保つものですが、過剰に働いてしまうとシナプスの連結を断ってしまうことがあります。

研究チームの一員であるクライヴ・スヴェンセン博士は、「私たちの社会は、アルツハイマー病患者などの増加を伴う高齢化社会に突入しようとしており、人々の健康を支えるためのシステムへの負担は計り知れません。しかし私たちの研究は、マウスに単に若い血液細胞を送り込むだけで、認知機能の低下が防げることを示しています。脳内において、老化に伴うシナプスの減少を防ぐことができるのです」と語っています。

しかしこれを人間に応用することは簡単ではありません。現在こうした目的での骨髄の移植は成功の見込みが低いといえるでしょう。

しかしスヴェンセン博士は、幹細胞培養テクノロジーを用いて、個人用に「カスタマイズ」された若い血液細胞を作り出そうとしています。

そうして出来上がった細胞は、特定の個人の年老いた血液細胞に置き換わり、認知能力の低下を妨げ、アルツハイマー病のような神経変性疾患を防いでくれるかもしれません。

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reference: eurekalert / written by なかしー