都市伝説・オカルト

脊椎動物が卵生と胎生を「同時に」行う様子を世界で初めて撮影!

Credit: Nadav Pezaro, Haifa University for the University of Sydney
Point
■トカゲの一種「スリートード・スキンク」が、3個の卵を生んだ数週間後に子どもを出産する様子を初観察
■スリートード・スキンクは、ある個体は卵を生む卵生を行い、ある個体は子どもを生む胎生を行う、2つの繁殖形態をとる
■卵生と胎生を切り替えられることは、環境の状態に応じて両面作戦をとることができることを意味する

卵生or胎生、どちらもいけるトカゲちゃんを紹介します。

オーストラリア東岸に生息するトカゲ「スリートード・スキンク」は、まるで赤ちゃんヘビから小さな足が生えたような愛らしいルックスです。

この珍しいトカゲが3個の卵を生んだ数週間後に、子どもを出産する様子がこのほど観察されました。脊椎動物が、一度の妊娠で卵生と胎生の両方を同時に行う様子が捉えられたのは世界初です。シドニー大学で生物学を研究するカミラ・ウィッティングトン氏らによる論文が今週「Biology Letters」に掲載予定です。

Facultative oviparity in a viviparous skink (Saiphos equalis) | Biology Letters https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsbl.2018.0827

卵生から胎生へ進化中!

スリートード・スキンクは、ある個体は卵を生む卵生を行い、ある個体は子どもを生む胎生を行う2つの繁殖形態をとる爬虫類です。ニューサウスウェールズ州シドニー近郊の温暖な低地に生息する個体は産卵によって繁殖し、寒冷な高地に生息する個体のほとんどは卵ではなく子どもを生むことから、卵生から胎生へ現在進化中だと考えられています。

ウィッティングトン氏(手に持っているトカゲはスリートード・スキンクとは別の種)/ Credit: University of Sydney

ウィッティングトン氏らは、スリートード・スキンクの生態を調べる過程で、1匹のメスが3個の卵を生む様子を観察。これで出産は完了したと思い込んでいた同氏らは、数週間後に同じ個体が今度は卵ではなく子どもを生む様子を目にして大興奮したといいます。

ウィッティングトン氏によると、脊椎動物における卵生から胎生への進化的移行は少なくとも150例存在するそう。初期の脊椎動物は卵を生んでいましたが、数千年の間に体内で胎児を長期間育てた後で、子どもを出産する種が登場しました。多くの人は卵ではなく子どもを生むのは哺乳動物だけだと考えがちですが、爬虫類の多くも胎生を行います。

卵生と胎生の切り替えによるリスク分散

今回観察された卵生と胎生を同時に行うスリートード・スキンクの例は、妊娠の進化過程を理解する上で重要なヒントになります。「眼の前で起きている進化を観察できるオーストラリアは、胎生の進化を研究するのに最適な場所の1つです」とウィッティングトン氏は語っています。

妊娠中のスリートード・スキンク / Credit: Rebecca A. Pyles

また進化生物学の観点から見れば、卵生と胎生を切り替えられることは、環境の状態に応じて両面作戦をとることができることを意味します。つまり、状況に応じて卵のまま生むかお腹の中で胎児を育ててから子どもとして生むかを選ぶことで、リスク分散を行えるということ。なんとも便利ですね。

「脊椎動物はなぜ、またどのようにして、卵生から胎生へ移行してきたのか?」という大きな謎の解明に、小さなトカゲが一役買ってくれそうです。

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reference: phys.org / translated & text by まりえってぃ