都市伝説・オカルト

絶滅したのに再びよみがえった鳥「ノドジロクイナ」

アルダブラ・ノドジロクイナ/Credit:CHARLES J SHARP

Point

■インド洋に浮かぶアルダブラ環礁に生息する「ノドジロクイナ」は絶滅から蘇っていた

■「ノドジロクイナ」はマダガスカルからアルダブラ環礁に移り、天敵がいないことで飛翔能力が退化した

■絶滅から数万年後、氷河期に伴う海面低下で現れたアルダブラ環礁に再びクイナが生息するようになる

これぞ不死鳥。

インド洋に浮かぶアルダブラ環礁に生息する小さな鳥「アルダブラ・ノドジロクイナ」。飛翔能力は失われているが、それ以外に目立つ印象はないいたって普通の鳥だ。

しかし彼らには驚くべき事実が隠されている。

イングランド・ポーツマス大学とロンドン自然史博物館の研究によると、この鳥は13万6千年前に1度絶滅していたというのだ。

研究の詳細は、5月8日付けで「Zoological Journal 」上に掲載されている。

海面の上昇により孤島が沈んでしまう

もともとノドジロクイナの祖先は、アフリカ南東部に位置するマダガスカルに誕生した。この鳥には孤島を求めて移動する習性があり、大量移動した際の引っ越し先の一つがアルダブラ環礁だ。

アフリカ大陸に植民したグループは現地の生物によって絶滅してしまったが、アルダブラ環礁には運良く天敵がいなかったため、生き残ることができたようだ。

しかし同時に天敵がいないことで逃げる必要もなくなり、飛翔能力は退化していった。そうしてノドジロクイナとは独自の進化を遂げたのが、アルダブラ環礁に住み着いたアルダブラ・ノドジロクイナである。

Credit:pixabay

しかしその後、アルダブラ環礁は海面上昇に伴う大洪水で沈んでしまう。そして飛べない鳥アルダブラ・ノドジロクイナも、ともに絶滅したのである。これがおよそ13万6千年前のことだ。

偶然にも同じ道をたどる

しかし彼らの物語はこれで終わりではなかった。

沈没後の氷河期によって海面が下がり始め、アルダブラ環礁が再び海上に姿を現したのだ。するとマダガスカルで生き残っていたノドジロクイナの群れが、またアルダブラ環礁にやってきた。これが前回の絶滅から数万年後、今からおよそ10万年前のことだ。

こうして住み着いたのは前回絶滅した鳥とはまた別のノドジロクイナのはずだが、ここで不思議なことが起きる。蘇ったクイナの化石を調べてみると、絶滅前に生きていたクイナの骨とは明らかに異なる飛翔能力の退化プロセスが散見されたそうだ。

つまり新しくやってきたクイナが、「天敵がいない」という同じ理由でまた1から飛ぶ力を失くしてしまったことがわかったのである。

飛翔能力を失った翼骨(左)と飛翔能力のある翼骨(右)/Credit:Dr Julian Hume

ポーツマス大学の古生物学者デヴィッド・マーティル氏によると、こうした現象は「反復性進化」と呼ばれ、同じ系統に属する生物が異なる時間と場所で同じように誕生することを意味する。

ところが、今回のクイナほど長い時間を隔てなお、偶然の一致が見られる例は今までに無いそうだ。

現在、インド洋の海面は地球温暖化の影響により再び上昇傾向にあり、もしかするとアルダブラ環礁が海の底に再び沈んでしまう恐れもある。クイナもそれによって過去と同じ運命をたどるかもしれないが、彼らならきっと三たび蘇ってくれるだろう。

ハチドリ「絶対殺す…」進化を遂げた“くちばし”がスゴいので見て欲しい

reference: vice / written & text by くらのすけ