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私たちのメンタルは「腸内微生物」が支えていることがわかる

Point
■うつ病の発症は、腸内に潜む微生物の活動レベルが減退していることが原因だった
■反対に、健康なメンタルの人が持つ腸内微生物は、動きが活発であることが判明
■これは、腸内微生物が精神を安定させる「ドーパミン」などの前段階となる「神経伝達物質」を生み出しているおかげだった

私たちがメンタルを健康に保つことができるのは、なんと腸内に潜む微生物のおかげだったことが分かりました。

ベルギーにあるルーベン・カトリック大学の研究チームによると、健康な精神状態の人は、腸内微生物の動きが活発であることが判明。反対に、うつ症状を患う人の腸内では、微生物の数が少なく、活動レベルが減退していたのです。

研究チームは「腸内微生物の働きを利用すれば、うつ病への新たな治療法が見つかるかもしれない」と話しています。ルーベン・カトリック大学による研究の詳細は、2月4日付けで「Nature Microbiology 」上に掲載されました。

腸内微生物は私たちの心の支え!?

研究チームは1000人以上を対象に、排泄物に潜む腸内菌の「クオリティー・オブ・ライフ(QOL)」を分析し、うつ病発症との関連性を調べました。すると、健康なメンタルを保つ人の腸内には「Coprococcus 」および「Dialister」と呼ばれる、2種類の微生物の活発な動きが観察されたのです。一方で、うつ症状を患っている人の腸内では、これらの微生物のQOLがきわめて低下していることが分かりました。

ところが、「腸内細菌のQOLとうつ病発症には相関関係しかないのでは」との疑問が浮上。つまり、精神疾患が先に起こることで、腸内細菌を弱体化させた可能性も十分に考えられます。しかし、微生物の働きを詳細に観察してみると、腸内細菌が健康なメンタル維持に必要不可欠な「神経伝達物質」を生み出していたことが判明したのです。

しかも微生物が産出する神経伝達物質は、感情をコントロールし、メンタルを安定させる「ドーパミン」や「セロトニン」の前段階となる物質だったのです。こうした脳内物質による活動バランスの崩れが、メンタル面に異常をきたすことは以前からもよく知られているところ。要するに、これは微生物が神経システムを通して宿主に「安心しなさい」と語りかけている何よりの証拠となるのです。

さらに精神安定物質を生み出せるのはこの腸内細菌のみで、土の中などにいる体外微生物には見られません。Raes氏は「人間と共存していくために、腸内微生物は宿主の神経システムと連携することを学んだのでしょう」と指摘します。

腸内微生物が隠れた場所で私たちの心の支えとなっていたとは、驚くべきことです。

現在、研究チームは、研究所内で腸内微生物が神経伝達物質を生み出すメカニズムを詳しく研究中。うまくいけば、腸内微生物のQOLを高めることで、うつ病に効果的な治療法が開発されるかもしれません。

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reference: theguardian / written & text by くらのすけ