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激レアなメロン「恐竜のたまご」をマンガ飯にして食べてみた

 

生物への飽くなき興味とともに、食い意地が張っている筆者。小学生低学年の頃から、小説やらマンガに出てきた食べ物の名前は、すべて脳内にキープしています。

たとえば、『タラノキはかせは船長さん?』で知ったルバーブのジャムや、『大草原の小さな家シリーズ』からパースニップなど…。

ついに大人になって、「社会人マネー」という資本と自分用キッチンという実験室を入手した筆者。変わった食材を聞けば食べに行ったり、国内海外問わず、取り寄せて料理したりと五感で生物を体感しています(ルバーブもパースニップも10数年越しで実食を達成)。

ちなみに、この前はマンガ『ゴールデンカムイ』の影響で、ヒグマの肉やシャチの心臓で一杯やっていました(ヒンナ)。

すっかり生活の一部となっている活動ですが、特にこれは人に知ってもらいたい、と思った食材をレポートしたいと思います。

『恐竜のたまご』って何?

今回取り上げるのは「ハミウリ」です。

知ったきっかけは、19世紀後半の中央アジアが舞台の『乙嫁語り』というマンガ。そのなかで焼き飯を作るシーンがあるのですが、登場人物の1人が「俺はハミウリが入っているのが好きだな」と言うのです。

何それ…ぜひ食べてみたい!

調べてみると、国内では「ワトム農園」が唯一生産しており、商品名は『恐竜のたまご』となっています。説明の、「スイカのようなシャリシャリした食感」が気になる…。

Credit: WaTom

注文して、届いたのはこちら。

卵の化石が発掘されるかのようなパッケージ。ハミウリのサイズは直径約30センチ、重さは2.7kg。

メロンといえば思い浮かぶ代表格、アンデスメロンと切ったところを比較してみました。

Credit: tnaa / 左: アンデスメロン 右:ハミウリ

十分に熟していますが、種のまわりの部分がとろとろにならず、果肉部分ときれいに離れており、可食部が多いと感じます。果肉もしっかりとしている様子。

実食してみた

最初に歯があたるときは、カリッと心地良い音がなり、サクっとした感覚。でも、硬いという感じはしません。噛みしめるとシャリシャリした食感の中に、ジュワーっと果汁があふれてきます。

「カリッ」と噛み割ってみたところ。

確かにスイカのようなシャリ感はあるのですが、もっときめ細かく、細胞自体が小さい印象です。ひとくちめの食感はプリンスメロンやハネデューメロン寄りですが、もっと柔らかさと繊細さを食感と味わいから受けます。

とても甘いのですが、さわやかで後味はさっぱり。アンデスメロンやマスクメロンでおなじみの、後味がのどに絡んでイガイガする感じがしません。飽きがこず、パクパク食べ続けられます。

日本では、ものすごく栽培が難しい

ハミウリは、「ハミーメロン」や「ウズベキスタン・メロン」とも呼ばれ、中国の内陸部である新疆地区や、中央アジアなどの砂漠地帯で栽培されているメロンです。

「ワトム農園」の生産者である品川さんによると、種の入手が難しいうえ、日本の気候は高温多湿のために適さず、収穫までこぎつけるのは至難の業とのこと。

10年以上かけてようやく商品化できるようになったものの、試行錯誤は続いているそうです。中国に行った際に食べて、「なんだ、このメロンは!」と感動したのが栽培のきっかけとのことで、ここに至るまでの熱意からも、美味しさがうかがえるというもの。

とにかく日持ちがする

また、ハミウリは日持ちがするのが特徴です。全体が黄色くなったら食べごろになるので、今回は収穫から3週間置いて追熟させました。環境によっては、なんと10週間待っても持つとのこと。シルクロードを通るキャラバンが、水がわりに積んでいた…なんてシーンが容易に想像できます。

ちなみに「追熟」とは、収穫したあとに成熟し、芳香が出てきて美味しくなること。果物には追熟するものと(クリマクテリック型果実)、収穫時点で成熟していて、追熟しないものと2種類あり、メロンは前者になります。

実は、現地で売られているのを実際に見たことがあります。一昨年、ウズベキスタンでバックパッカーをしたとき、市場でハミウリが山積みになっていました。

遠くから運んでこられたのでしょうか。日持ちするので、一気に収穫してたくさん市場に出しても腐る心配がなく、長く売ることができるのでしょう。

メロンとウリの違いって?

ところで気になるのが、「ハミーメロン」「ハミウリ」という異なる名称があること。「メロン」と「ウリ」、両者の違いは何なのでしょうか。

ウリ(瓜)はキュウリも含め、ウリ科の果菜類の総称として使われます。紀元前に中東やインドで栽培が始まったウリ科のひとつ「Cucumis melo L.」が西洋に伝わったものが「メロン」、東洋に伝わったのが「ウリ」と呼ばれているとのこと。

昨今では、ウリは野菜、メロンはフルーツのイメージが強いですよね。でも、昭和時代は甘味として、マクワウリが親しまれていました。めっきり見なくなっていたものの、昨年くらいより、韓国から「チャメ」という名前で輸入されてきているので、メロンの歴史を想いながら食べてみるのもいいかも。

ハミウリの入った焼き飯を作ってみた!

さて、もともとハミウリを食べてみたいと思ったきっかけは、マンガ『乙嫁語り』にて、焼き飯の具として言及されていたからです。

いろいろな人のブログで、「マンガ飯」として再現しようとしているのを見ましたが、さすがにハミウリを入れて作った人はいなかったので、実際にやってみました!

ウズベキスタンの「プロフ」という料理に近いと思われるので、ハミウリを入れて作成することに。

ウズベキスタンの民家で食べたプロフを参考に。「うち、レストランもやっているよ」と一般のお宅の主人に誘われ、ついていった次第。一緒に出された、いかにも中央アジアなパンも嬉しかったです。
ついでに飼われていた猫を「動物好きゴッドハンド」によるマッサージで篭絡してやりました。

ただ、ハミウリを生で焼き飯に入れるのは水気が多すぎると感じたのと、現地で食べたプロフに干しブドウが入っていたので、干しメロンにするのが正しいのではと思い、ベランダで干しました。

猛暑を利用し、室外に置かれている洗濯機にオン。

鍋に油をひき、ニンニクを入れ、香りが出たところに、玉ねぎ(もちろん、ハミウリを具材にするというマンガの登場人物のこだわりにならい、ニンジンより先)、ニンジン、羊肉を炒め、ヒヨコマメ、レーズンを入れます。

それから米と水を入れ、クミンとコリアンダー、塩こしょうで味付け。最後に半生状態のハミウリを投入!

作り方もマンガ飯風にすると、描写にならって皿で蓋をして炊きあげたくなるわけで。

できあがり! スプーンの上に乗っている、黄色いのがハミウリです。

お味は…?

けっこう適当に作ったのですが、ちゃんと現地で食べたような味になりました。普通に美味しいです。

ハミウリの影響というと、もともと、レーズンが香辛料に合うので、柔らかさや優しい甘味といい、それと近しい食感と味わいがしました。

ただ、レーズンのほうがコクがあるので、ハミウリだからこそ合う!みたいな、食材の必要性はいまいち感じられず。

「これ、レーズンで良くない…?」

作者によるオチがあった

ということで、さらに元ネタを調べてみますと。

なんと、作者の森薫さんが実際にマンガに描かれた内容にそって、作っておられるレポが「コミックナタリー特集」に掲載されていました。

しかも、そこで作者さんのおっしゃるには、

「あれ(ハミウリ)は誰もが「ありえねー」って言うだろう例として出したもので、ほんとに入れてる地域はたぶんないと思います(笑)」

…ですと。

要するに、「普通はやらないけど、描いてあったら面白いだろう」と思って描いたネタということが判明!

…いや、でも普通の人はハミウリすら知らないと思うし、作者さんの知識が深いゆえにネタが高度すぎて、おかしいとも思わないんじゃないかと思います。

さておき、実際にやったらどうなるか、興味のあった方が参考になれば幸いです。

それに、ハミウリはわざわざ焼き飯にせずとも、そのままで食べる価値ありの美味しいフルーツ。ぜひ召し上がってみてください!

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