都市伝説・考察・陰謀・不思議・オカルト

映画制作で照明がいかに重要なのか

アンドリュー・デイ氏/Credit:laughingsquid

映画制作にとって監督や役者陣、カメラマンの仕事が重要なのは言うに及ばない。

ところが映画を観ているだけではその細かなテクニックに気づきにくい重要な役所がある。

照明技師(ガッファー)だ。

素人で「カメラの構図が綺麗」とは言えても、「あのキー・ライトの当て方が粋なんだよ」とは中々言わない。しかしやはり照明を何の考えもなく役者に当てるだけでは意味がない。

そこで今回は、現役の照明技師アンドリュー・デイ氏による照明テクニックの動画についてご紹介しよう。デイ氏は多くのハリウッド大作にガッファーとして参加しており、『メン・イン・ブラック2』『ナショナル・トレジャー』『グレイテスト・ショーマン』などを手がけている。

そんなデイ氏が「バー」を舞台にしたシーンを例にして、極め尽くした照明テクニックの数々をレッスンしてくれる。

最初のシーンは、バーに入ってきた男性が女主人に酒を注文するところだ。しかしこの時点で照明はなく、外から入ってくる光のみ。これでは人物の顔も何も見えない。

これをデイ氏ならどうするか。

テクニック1:フラット・ライティング

まずデイ氏が入れるのは「フラット・ライティング」だ。

これはカメラと同じ方向から照射するライトで、影を取り払うことにより、対象の細部をしっかり見せることができる。ただし照明を過度に使用しすぎると、シーンのムードを削ぎ落とすことになるので注意が必要だ。

こうなるとバーのムードとマッチしなくなり、返って邪魔をしてしまう。

テクニック2:キー・ライト

次に使うのが「キー・ライト」と呼ばれる照明。

これは被写体の中に強調したい影を作るために、光を左か右の特定方向から当てる技術である。シーンのムードを決定づけるのは、光でなく影であることを理解しなければならない。

このように左サイドからキー・ライトを当てることで、その反対側に妖艶な影ができ、女性のミステリアスさを強調できる。

テクニック3:バック・ライト&フィル・ライト

 

「バックライト」は被写体の後方から照射するライト。暗い背景からシーンの主題にしたいもの(人)を切り離して浮き立たせる効果がある。こうすることで人物の輪郭がくっきりと浮かび上がるのが分かる。

 

「フィル・ライト」はキー・ライトの鏡合わせにした反対側から当てる照明。これはキー・ライトによってできた影を緩和し、照らされていない部分を照明することだ。

フィル・ライトがあるのとないのでは大きな違いがある。

このバック・ライト、キー・ライト、フィル・ライトは照明の基本となる3本柱だ。

テクニック4:余計な影のリムーブ

これは照明を再配置したり、明度を調節することで余分な影を落とす重要なテクニックとのこと。

キー・ライトによって出来た背景の影などがシーンの邪魔になってしまうこともある。そんな時に便利な道具が「フラッグ」と呼ばれるボードだ。

フラッグで明かりを遮ることにより、照明位置を変えることなく目立つ影を消すことができる。

テクニック5:トップ・ライト&アンダー・ライト

 

「トップ・ライト」は文字通り、被写体の上方から照射するライトで、頭部と鼻にハイライトを入れ、目の周りに影を作る。しかしムードが大げさになりすぎることもあるので、必要でない限りは避けられるそうだ。

また「アンダー・ライト」を下から強めに当てることで、鼻下口周りに不気味な印象を持たせることができる。布をかぶせることでナチュラルな明度に抑えることも可能だ。バーの明かりもこれで自然な感じを演出できるという。

テクニック6:トーン調節

それぞれのライトの役割を熟知しても、そのまま使用するだけではムードが平板になり画面のメリハリがなくなる。

 

例えばこの場合は女性側から当てているキー・ライトにシルクをかぶせることで照明の強度が和らぐ。すると男性と女性側で明度のコンタラストがつくわけだ。

これでムードもバッチリ。

テクニック7:カラーで人物の個性を出す

ここまでマスターできれば、あとは人物の性格を反映するようなムード作りだ。

「カラー・ライト」を当てることで人物やシーンに個性を生み出すことができる。

 

例えば、奥に座る怪しげな人物にはダークレッドのネオンライトを当てることでその人物のムードを表現することができるのだ。

 

これでもデイ氏が持つテクニックのごく一部とのことだが、自主制作映画などで試してみるのもよさそうだ。

 

reference: laughingsquid / written by くらのすけ

投稿 映画制作で照明がいかに重要なのかナゾロジー に最初に表示されました。