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効果がなくても「効果」がある「プラセボ効果」のトリビア10選 

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1.「プラセボ効果」と分かっていても効果がある

プラセボ効果が発生するためには、その治療や薬が実際に効果があると「騙され」なきゃいけないと思われがち。でも、約10年前の研究では、過敏性腸症候群に苦しむ患者が、あらかじめプラセボであると知らされていた「オープン・プラセボ」治療を受けて、無治療の患者と比べて症状に改善がみられたことが明らかになりました。

そしてさらに最近の研究では、腰痛花粉症といった症状を含む多くの症例にもオープン・プラセボの効果があることがわかっています。

2.ブランド、色、注射に関するプラセボ効果

こちらはオープン・プラセボではなく、本当に騙されていた場合。その効果を強く信じているほど、実際の効果は大きくなります。偽薬は2錠よりも4錠のほうが効果が高く、また錠剤よりも(ただの生理食塩水の)注射のほうが効果が高いのです。

さらに、錠剤の「色」と「ブランド」に関する興味深い研究も。研究では、ピンクの錠剤よりも青い錠剤のほうが効果があり、ブランドのラベルが貼ってある錠剤のほうが何も貼っていないものより効果があったことが分かりました。

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3.プラセボ効果を得やすいタイプの人がいる

プラセボ効果を最大限に得やすいタイプの性格の人がいます。楽天家の人感情のレジリエンスが高く、フレンドリーな人ほどプラセボ効果を得やすいことが分かっています。

ところが、シチュエーションによってプラセボ効果の大小は変わってきます。たとえばストレスに関しては、ある研究では共感力の低い人ほど高いプラセボ効果を得ていたことを明らかにしています。

また、プラセボ効果が患者の性格に大きく左右される一方で、年齢や性別は効果に大きな影響を及ぼさないことが示されています。

4.プラセボ効果を生むのが得意な医師がいる

患者の「思い込みの力」からプラセボ効果が生まれる一方で、それを上手に活用できる医師もいます。ある研究では、アレルギーの治療に「プラセボ注射」を用いた医師の中でも、思いやりと自信を持って注射をおこなった医師のほうが、患者に高いプラセボ効果を与えていたことが分かりました。

さらに別の研究では、「この医師は自分の価値観や個人的な考えを共有してくれている」と思っていた患者のほうが、処置の後に痛みを感じない傾向があることが明らかになりました。

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5.プラセボ効果によって体力や創造性も向上する

プラセボ効果といえば治療、中でも特に痛みを取り除くために用いられるのが一般的なイメージ。ですが精神的あるいは肉体的な能力を高めるために利用されることもあります。

多くの研究の中で、アスリートのスピード、パワー、持久力がプラセボ効果によって向上することが報告されています。

また、ある研究では、特定のニオイを嗅ぐと創造性が向上すると告げられた後にそのニオイを嗅いだ人は、同じニオイを嗅いで何も告げられなかった人と比べて、後の創造性を測るテストで良いパフォーマンスをみせたことが明らかになっています。

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6.「プラセボ睡眠」なるものが存在する

研究者が、実験参加者に実際の睡眠よりも多くの睡眠時間を取ったと錯覚させることで、翌日のテストでいい結果を出させることに成功した、という研究もあります。研究者は被験者に対し、レム睡眠時間の虚偽のフィードバックをおこなっており、それに騙された参加者は、言語と算数のテストで良いパフォーマンスを発揮したとのことです。

7.動物もプラセボ効果を経験する

治療の効果を比較するために、人間での実験と同様に、動物実験の際に偽薬を用いることも行われています。そして多くの研究者は、動物にもプラセボ効果による反応があることを報告しています。

たとえば、犬における抗てんかん薬や、馬の筋硬直における食事介入などの報告があります。ここで注意したいのが、プラセボ効果が動物ではなくその「飼い主」に対して発生しているらしいということです。飼い主が治療の効果を信じていれば、それが動物に対して直接的に伝わると考えられるのです。

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8.プラセボ効果はネガティブにも働く

治療効果を「信じる」ことでプラセボ効果が生まれるならば、逆に治療に対してネガティブな思い込みをしてしまえば、症状が悪化してしまうことも考えられます。研究者らは実際にそのような例と遭遇しており、その効果のことを「ノセボ効果」と呼んでいます。

そしてプラセボ効果と同様に、ノセボ効果の影響も決して見くびることはできません。無痛覚症に関する研究のメタ分析では、痛みを増すとして施されたクリームや錠剤によって、プラセボ効果と同じレベルのノセボ効果が確認されました。

9.プラセボ効果は心理学者を悩ませている

プラセボ効果はそれ自体、非常におもしろいものですが、心理学的介入によって治療しようとしている学者にとっては邪魔になっているようです。私たちの思い込みによる影響はパワフルであり、それが多くの研究の解釈を複雑にしてしまう要因となってしまいます。フロリダ州立大学のウォルター・ブート氏が率いた研究の中では、多くの心理学研究が、患者の思い込みによって困難になっていることが語られています。対照群が思い込みの力を発揮してしまえば、それは適切な対照群として機能しなくなってしまうということです。

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10.プラセボ効果は強まっている傾向にある

近年プラセボ効果が強まっている傾向にあることが報告されています。その傾向はプラセボ抗精神病薬プラセボ抗うつ薬、アメリカ国内に限って言えばプラセボ鎮痛薬について確認されています。

この要因の1つとしては、以前と比べて薬の臨床試験の規模が大きく手の込んだものとなっており、それが患者の思い込みを強めていること。また、別の要因としては、プラセボ効果の認知度が高まったことです。その効果が単に錯覚ではなくホンモノであることが知れ渡り、患者に影響を与えているかもしれないのです。

さて、ここまでプラセボ効果の10のトリビアを紹介してきました。これを読んだあなたはプラセボ効果を信じられたでしょうか?信じられたあなたは、これから飲む薬の効きが良くなるかも?自分自身の思い込みに期待してみましょう。

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