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世界最強の揚陸艦ランキングTOP15

近年、日本でも自衛隊が島嶼防衛に力を入れはじめ、水陸両用作戦や上陸作戦について注目されるようになってきました。

上陸作戦とは、文字通り、敵の勢力圏にある島や海岸などに海から上陸して進攻を行う軍事作戦のことを指し、別名水陸両用作戦とも呼ばれます。

上陸作戦を行うには、軍艦や航空機だけでなく、実際に上陸して戦闘を行う陸上部隊が必要になってきます。

上陸作戦では防御側も強力な陣地や様々な生涯を築いていることも多く、敵の攻撃を受けることなく安全に部隊を上陸させる方法が研究されてきました。

揚陸艦とは、上陸作戦において、陸上の戦闘員や必要な補給物資を揚陸する能力をもった艦艇です。

大量の物資を一度に運ぶことができ、港湾施設がなくても陸揚げすることのできる揚陸艦は、上陸作戦だけでなく、災害派遣や人道支援などでも多目的に活躍することができます。

ここでは、世界各国の海軍で使われている揚陸艦をランキング形式で紹介していきます。

揚陸艦とは

引用:www.naval-technology.com

揚陸艦は、第二次大戦に急速に発達した軍艦で、ノルマンディー上陸作戦や、太平洋戦争での上陸作戦で使用されました。

特に、海兵隊をはじめとするアメリカ軍は、太平洋で日本軍が占拠する島嶼への上陸作戦を通じて、水陸両用作戦の手法やそれに必要とされる実用的な揚陸艦を生み出していきました。

当時の揚陸艦は、艦が直接海岸に乗り上げるビーチングというスタイルをとっていて、艦首にある観音開きのバウ・ドアが開いて、人員や物資を揚陸していました。

引用:courrier.jp

こうした小型の揚陸用の艦艇は、上陸用舟艇と呼ばれ、舟艇をたくさん搭載した艦を揚陸艦といいます。

この方法は、海岸に着くまでに揚陸艦が敵の攻撃に晒され、兵士もろとも沈没してしまうというリスクがありました。

ヘリコプター揚陸艦

引用:news.livedoor.com

そのため、戦後にヘリが発達するようになると、ヘリコプターを使って直接内陸部に人員・物資を送り込む垂直揚陸作戦という手法も生まれます。

まるで空母のような全通のヘリ甲板をもち、ヘリによる揚陸作戦を行う能力をもった揚陸艦を「ヘリコプター揚陸艦」といいます。

ドック型揚陸艦

引用:www.jiji.com

さらに、揚陸艦にも海岸に向かう上陸用舟艇に人員・物資を安全に積むことができるよう、船尾にウェルドックを備えたドック型揚陸艦が現れました。

ウェルドックがなければ海上でクレーンなどを使って物資の積み込みをしなければならず、このとき、揚陸艦も上陸用舟艇も敵の艦艇からの攻撃や航空攻撃に対して非常に脆弱になります。

ウェルドックなら、ドック内で安全に積み込みができ、海水を注入することでそのまま舟艇を発進させることができます。

現在では、上陸用舟艇としてホバークラフト(ACV:エアクッション艇)も使用されています。

引用:www.mod.go.jp

ビーチングだと揚陸できるのは世界の海岸線の15%ほどだといわれているところ、ホバークラフトだと70%の海岸に揚陸を行うことができます。

強襲揚陸艦

引用:ja.wikipedia.org

ヘリコプター揚陸艦、ドック型揚陸艦の2つの能力を併せ持ち、上陸作戦において必要な機能をすべて果たすことのできる洋上基地が、強襲揚陸艦です。

強襲揚陸艦は、ウェルドックに加えて全通飛行甲板をもち、ヘリやSTOVL機の運用も可能で、高い揚陸能力と航空機運用能力によって、水陸両用作戦の中心となる艦艇です。

第15位 ジャラシュワ (インド)

引用:www.youtube.com

ジュラシュワは、インド海軍が運用するドック型揚陸艦で、空母ヴィクラマーディティヤに次ぐインド海軍で2番目の大きさの艦となっています。

ジュラシュワとは、サンスクリット語で、「タツノオトシゴ」という意味で、「神の使い」という意味ももっています。

ジュラシュワは、もとはアメリカ海軍の揚陸艦トレントンで、4800万ドルで売却されたものです。

ジュラシュワは、全長173.7m、排水量16590トン、速力20ノットで、兵装はファランクス2基となっています。

乗員は士官28名に曹兵480名で、ほかに兵員1000名を乗せることができます。

SH-3シーキング哨戒ヘリ6機の運用能力を持ち、LCM-8上陸用舟艇4隻を搭載することが可能です。

第14位 アブサロン級多目的支援艦 (デンマーク)

引用:ja.wikipedia.org

アブサロン級多目的支援艦は、デンマーク海軍が運用している、揚陸艦や輸送艦、病院船など様々な機能をもつ多目的支援艦と呼ばれる艦艇です。

艦名は12世紀に活躍したデンマークの大司教で軍事指導者でもあったアブサロンから採られています。

アブサロン級は2004年に1番艦「アブサロン」、2005年に2番艦「エスベアン・スナーレ」が就役しており、2009年にはソマリアでの海賊対処任務にもついています。

アブサロン級は、全長137.6m、排水量6600トン、速力23ノット、航続力9000浬、乗員100名で、5インチ単装砲やハープーン対艦ミサイル、35ミリ機関砲、スティンガー対艦空ミサイル、魚雷発射管など多彩な兵装を備えています。

アブサロン級は、艦内に250m分に相当する多目的甲板をもち、レオパルト2主力戦車7両を含む車両55両を搭載し、兵員200名を収容することができます。

ウェルドックはないものの、艦尾のハッチとクレーンを使い、迅速に舟艇を展開することができ、SRC-90E舟艇2隻を搭載しています。

医療設備コンテナを搭載でき、病院船としての能力も備え、1日40人の患者を受け入れ、10件の手術を行うことができます。

ほかにも、機雷敷設艦として機雷300個を搭載でき、指揮艦として最大75名の司令部要員を収容することができます。

第13位 エンデュアランス級揚陸艦 (シンガポール)

引用:ja.wikipedia.org

エンデュアランス級揚陸艦は、シンガポール海軍が運用しているドック型揚陸艦です。

もともと、アメリカで退役したLST-542戦車揚陸艦しかもっていなかったシンガポール海軍で、LSTの老朽化に伴い代替として建造されたもので、シンガポール海軍初の本格的な揚陸艦となっています。

2000年~2001年にかけてネームシップ「エンデュアランス」を筆頭に4隻が就役し、タイ海軍でも同じ設計で1隻の発注があり、「アントン」として2012年に就役しています。

エンデュアランス級は、全長141m、排水量8500トン、速力15ノット、航続距離5000浬で、兵装としてはシンガポール海軍で標準的な76㎜スーパーラピッド砲に加え、12.7㎜機銃4基、シンドバ連装近接艦対空ミサイル発射機1基を搭載しています。

乗員は個艦要員が65名で、ほかに上陸部隊350名を収容する能力をもちます。

艦首はバルバス・バウになっていて、本艦が直接海岸に乗り上げるビーチングは想定されておらず、あくまで上陸作戦の母艦としての任務を想定しています。

艦後部にヘリコプター甲板を、上部構造物にハンガーをもち、AS332M輸送ヘリコプター2機を運用することができます。

4隻の上陸用舟艇を運用できるウェルドックのほか、上部構造物の両舷には物資の揚陸に用いる力量25トンのクレーンが各1基設置されています。

艦内には、戦車18両、その他の車両20両など最大1080トンの物資を乗せることができ、EP-02型小型揚陸艦(LCVP:戦車人員揚陸艇)4隻と2隻の高速複合艇(硬式ゴムボート)が搭載されています。

第12位 カンタベリー多目的艦 (ニュージーランド)

引用:http://www.seaforces.org

カンタベリー多目的艦は、2007年に就役したニュージーランド海軍の揚陸艦です。

多目的艦という名称の通り、主任務である揚陸艦のほか、練習艦や哨戒艦、海洋調査などにも使われます。

カンタベリーは、高まる海外派兵の必要性から計画されたもので、2002年からはじまったニュージーランド海軍の艦艇整備計画であるプロテクター計画の目玉として建造された、海軍期待の新鋭艦です。

カンタベリーは、全長131m、排水量8000トン、速力19ノット、航続距離8000浬、兵装として、25㎜機銃・12.7㎜機銃を搭載しています。

船体は、南極海海域での運用を想定して耐氷構造になっています。

乗員は、海軍53名、空軍10名、陸軍7名と3軍から派遣され、ほかに揚陸作戦用地上部隊として増強された歩兵中隊1個分に相当する250名を収容することができます。

車両搭載スペースには、ピラーニャ装輪装甲車16両、ピンツガウアー多目的装輪車両14両、トレーラー7両、フォークリフト2両、トラック9両、救急車2両、小型トラック4両、20フィートコンテナ33個を搭載することができます。

LCM上陸用舟艇2隻、高速複合艇2隻を搭載できますが、ウェルドックはなく、貨物はクレーンによって舟艇に搭載されます。

ほかに、手術室など医療施設も備え、真水製造設備のよって1日100トンの真水を作り出すことができ、長期航海に備えたレクリエーションルームやアスレチックルームもあります。

第11位 カレル・ドールマン (オランダ)

引用:ja.wikipedia.org

オランダ海軍で統合支援艦と位置付けられているカレル・ドールマンは、揚陸艦と補給艦の役割を兼務する艦艇です。

艦名は、第二次大戦中のスラバヤ沖海戦のおいて日本海軍との戦闘で戦死したカレル・ドールマン提督から採られています。

ドールマン提督は、オランダでは軍神のごとく英雄視されており、他にも様々な艦艇の艦名として名づけられてきました。

カレル・ドールマンは、全長204.7m、排水量28250トン、速力18ノットで乗員は175名、ゴールキーパー艦艇用近接防御システム2基と30㎜機銃2基、12.7㎜機銃4基を備えています。

艦後部には長さ80m×幅30mのヘリコプター甲板を持ち、ヘリ6機または大型輸送ヘリCH-47チヌーク2機を搭載可能です。

LCVP2隻を搭載でき、艦尾には物資の積み下ろし用に力量40トンのクレーンも備えています。

ほかにも、カレル・ドールマンには補給艦としての能力もあり、1000㎡の貨物庫、730㎡の弾薬庫、8700㎥を搭載可能な貨油タンクを有し、1日当たり125㎥の造水能力ももっています。

統合支援艦と呼ばれるだけあって医療設備も充実し、手術室やX線装置、MRI装置を有しています。

第10位 フアン・カルロス1世 (スペイン)

引用:ja.wikipedia.org

フアン・カルロス1世はスペインが初めて開発した本格的な強襲揚陸艦で、「戦略投射艦」というコンセプトのもとに建造された揚陸艦です。

戦力投射(パワープロジェクション)とは、多国籍軍による軍事作戦や災害支援などで、外国の地に軍事力によるパフォーマンスを及ぼすことをいいます。

フアン・カルロス1世は2014年までスペインの国王だったファン・カルロス1世からとったもので、ユーロが導入されるまでのスペインの紙幣にはファン・カルロス1世の肖像が描かれていました。

スペインでは、それまでアメリカから供与されたニューポート級戦車揚陸艦をしようしており、その更新と、さらに軽空母プリンシペ・デ・アストゥリアスであったことから、空母としての任務にも対応できる艦として設計されました。

そのため、フアン・カルロス1世は、強力な航空機運用能力をもっており、ウェルドッグに加えて全通飛行甲板、航空機格納庫をもち、強襲揚陸艦とSTOVL機を運用可能な空母としての2つの顔をもっています。

オーストラリア海軍のキャンベラ級強襲揚陸艦は準同型艦に当たり、現在建造中であるトルコの強襲揚陸艦「アナドル」も同じく準同型艦になります。

フアン・カルロス1世の性能

フアン・カルロス1世は全長230.8m、排水量27082トン、速力21ノット、航続距離9000浬で、武装は20㎜機銃4基と12.7㎜機銃2基のみと戦闘艦としては少し心もとない装備となっています。

ですが、航空機の搭載能力はヘリ30機またはSTOVL機10機+ヘリ10~12機、さらに乗員247名に加えて司令部要員103名、航空要員172名、地上部隊900名を搭載可能と揚陸艦としては高い能力をもっています。

さらに、長さ138.5m×幅22.5mの格納庫をもち、スペインの主力戦車レオパルト2を最大46両搭載でき、ウェルドッグは長さ69.3m×幅16.8mで、LCM-1E上陸用舟艇4隻、スーパーキャット型複合艇RIB(ゴムボート)4~6隻を同時に収容でき、LCAC-1級ホバークラフト型揚陸艦1隻も運用することができます。

飛行甲板は長さ201m×幅32mで、6か所の着艦スポットと傾斜角12度のスキージャンプ発射台をもっています。

揚陸作戦支援のため、艦内にトリアージ室や集中手術室といった充実した医療施設を有しているのも本艦の特徴です。

第9位 キャンベラ級強襲揚陸艦 (オーストラリア)

引用:flyteam.jp

キャンベラ級強襲揚陸艦は、スペイン海軍のフアン・カルロス1世の同型艦として建造され、全通飛行甲板と大型ウェルドックをもつオーストラリア海軍の強襲揚陸艦です。

キャンベラ級はオーストラリア海軍史上最大の艦艇で、2014年11月に1番艦「キャンベラ」が、2015年12月に2番艦「アデレード」の2隻が就役しています。

名称はどちらもオーストラリアの都市名から採られています。

2000年にオーストラリア海軍で揚陸艦の更新計画がもちあがったときに、応募してきたスペインの造船会社ナバンティア社がスペイン海軍向けに開発したフアン・カルロス1世をオーストラリア海軍向けに改訂したものが採用されました。

船体はスペインで建造されましたが、進水後の擬装などはほぼオーストラリアが行われました。

キャンベラ級の性能

キャンベラ級は、全長230.8m、排水量27851トンで、基本的な構造を含め、機関や最大出力など性能面では多くの点でフアン・カルロス1世と同様になっています。

速力は少し低く20.5ノットで、兵装は25㎜機銃4基と12.7㎜機銃6基と強化されています。

フアン・カルロス1世と同じくSYOVL機の運用能力をもっていますが、F-35Bを艦上機とする案は海軍によって拒否されたため、現在のところ運用の予定はありません。

艦載機は中型ヘリコプター12機となっており、車両用格納庫も使用すれば最大で18機を搭載できます。

乗員は海軍293名、陸軍62名、空軍3名と3軍から配置されていて、ほかに地上部隊1046名を収容でき、さらに戦車を含めた車両150両を搭載できます。

艦全長の30%におよぶウェルドックは、長さ69.3m×幅16.8mで、LCM-1E上陸用舟艇4隻やRIBはもちろん、汎用揚陸艇(LCU)やホバークラフト揚陸艇の運用も可能です。

フアン・カルロス1世と同じく医療設備も充実しており、2つの手術室と病床40床を備えています。

2016年には、サイクロンによって大きな被害を受けたフィジーへの災害派遣にキャンベラが派遣されました。

第8位 独島級揚陸艦 (韓国)

引用:www6.atwiki.jp

独島(トクト)級揚陸艦は、韓国海軍が運用する強襲揚陸艦で、「大洋海軍(ブルーウォーターネイビー)への足場」として、韓国海軍の遠距離作戦能力強化のために建造された意欲的な艦です。

2007年にネームシップの「独島」が就役し、2020年には2番艦の「馬羅島」が就役予定で、すでに3番艦「白翎島」の構想も存在しています。

艦名の独島は、日本との間で領有権問題を抱える島根県の竹島から採られており、本艦が完成した当時は、日本を意識した艦名が日韓関係に悪影響を及ぼすという懸念もありました。

さらに、独島級の能力が北朝鮮に対する軍備としては、過大過ぎると見られること、北朝鮮から離れた南部の済州島に配備していることから、韓国海軍が秘密裏に日本を仮想敵国としているのではないかともいわれました。

独島級の性能

独島級は、全長199m、排水量18800トン、速力23ノット、航続距離10000浬、兵装としてゴールキーパー30㎜艦艇用近接防御火器システム(CIWS)2基(2番艦からはファランクスに変更)、RAM近接防空ミサイル21連装発射機1基(2番艦からは韓国開発のミサイル発射システムK-VLSに変更)を装備しています。

甲板には5つのヘリコプター発着スポットがあり、最大でヘリ10機を搭載できるとされていますが、完成当初から艦載ヘリが確保できない状態が長く続いてきました。

ほかに、STOVL機の運用能力もありますが、航空母艦としての運用予定はないとされています。

乗員は330名で、兵員400名(短期であれば最大700名)を乗艦させることができます。

車両搭載スペースには、K1戦車10両、KAAV7水陸両用装甲兵員車16両を収容することができます。

艦後部にはウェルドックを備え、LCACホバークラフト揚陸艇を2隻搭載することが可能とされています。

独島級の問題点

独島級は、韓国海軍が開発した本格的な揚陸艦として、大きな期待を背負って誕生しましたが、就役当初から様々な問題点が指摘されてきた艦でもあります。

独島級建造時から、搭載しているレーダーのビームが甲板に反射してレーダーモニターにゴースト(虚偽標的)が映し出される、ミサイル近接防御用のゴールキーパーが俯角を採った場合に甲板後部が射界に入ってしまい敵機もろとも自艦を攻撃してしまう可能性がある、など欠陥ともいえる問題が報告されています。

さらに、2013年には火災が発生し、その際に発電機が消火用水を被って使用不能となり、一時的に航行できなくなると事態に陥っています。

他にも、完成当初から艦載ヘリが確保できず、代わりにUH-60ヘリを訓練に使用していましたが、このヘリは塩害対策が施されていないため着艦訓練のみで機動訓練が行えず、ヘリコプター機動訓練を海上ではなく貯水池の上で行っていたこともありました。

その後も、ユーロコプターと共同で開発した艦載ヘリの戦力化を目指してきましたが、ユーロコプター社との技術移転トラブルや機体の欠陥のために断念され、現在は韓国海兵隊向けのMUH-1上陸機動ヘリの搭載を目指しています。

第7位 サン・ジョルジョ級強襲揚陸艦 (イタリア)

引用:it.wikipedia.org

サン・ジョルジョ級強襲揚陸艦は、イタリア海軍が運用している揚陸艦です。

NATOの分類ではドック型揚陸艦ですが、ほぼ全通の飛行甲板を備えているため、イタリア海軍の公称では強襲揚陸艦となっています。

本級は、以前はアメリカのLSTを運用してきたイタリア海軍が、初となる本格的な揚陸艦として建造したものです。

イタリアの総合造船企業フィンカンティエリが建造を行い、1988年から「サン・ジョルジョ」「サン・マルコ」、そして準同型艦の「サン・ジュスト」が建造されました。

サン・ジョルジョ級の設計をもとにして、2014年にはアルジェリア海軍の揚陸艦「カラート・ベニ・アベス」が建造されています。

サン・ジョルジョ級の性能

サン・ジョルジョ級は、全長133.3m、排水量7960トン、速力20ノット、航続距離7500浬で、兵装は76㎜砲1基と25㎜機銃2基を搭載しています。

乗員は士官17名と曹士146名で、ほかに陸戦部隊345名を乗せることができます。

飛行甲板は、当初は左舷側にLCVP用のダビッドが併設されていたため、本格的なヘリの運用能力はもっていませんでしたが、後に改修されて完全な全通甲板となり、イタリア・アグスタ社の汎用ヘリAW101の運用も可能になります。

艦尾には長さ23m×幅7mのウェルドックが設けられ、長さ100m×幅20.5mの車両搭載スペースには、主力戦車30両または装甲兵員輸送車36両の搭載が可能です。

艦内には、18.5m型上陸用舟艇(LCM)3隻に加え、13m型戦車人員揚陸艇(LCVP)2隻が収容されています。

第6位 071型揚陸艦 (中国)

引用:seesaawiki.jp

071型揚陸艦は、中国海軍が運用する最新のドック型揚陸艦で、中国が建造した初の本格的揚陸艦です。

NATOコードネームは、「玉昭型」となっています。

071型はよくアメリカ海軍のサン・アントニオ級ドック型揚陸艦と比較され、サン・アントニオ型よりも小型ですが、その代わりに建造費用は3分の1ほどといわれています。

2007年に1番艦「崑崙山」が就役したのをはじめとし、2019年1月には6番艦の「五指山」が就役しています。

071型の性能

071型は、全長210m、排水量29000トン、速力は公称で23ノット、航続距離は10000浬とされ、76㎜単装速射砲1基と30㎜近接防御火器システム(CIWS)4基を備えています。

艦載機は、フランスのSA321シュペルフルロンをコピー生産したZ-8輸送ヘリコプターを通常2機、最大4機搭載することが可能です。

個艦乗員は120名で、そのほかに海軍陸戦隊の大隊規模に相当する兵員500~800名を乗艦させることができ、車両搭載スペースには装甲戦闘車両15~20両を積むことができます。

艦全長の3分の2におよぶ約140mのウェルドックを備え、アメリカ軍のLCAC-1に酷似した726型エアクッション(ホバークラフト)揚陸艇を4隻、ほかにLCVP(戦車人員揚陸艇)2隻を搭載しています。

071型は巨大なウェルドックを持っている反面、艦全体に占めるドック比率の高さから、大型艦の割には車両搭載数が少なくなっているともいわれます。

071型は、その優れた搭載能力と航続距離を活かして、ソマリアでの海賊対処や中国がアフリカ東部のジブチに開設した初の海外基地への駐留部隊の輸送などで活躍しています。

第5位 おおすみ型輸送艦 (日本)

引用:www.jiji.com

おおすみ型輸送艦は、海上自衛隊が運用する護衛艦の一つで、戦車揚陸艦という位置づけですが、他国海軍においてはドック型揚陸艦に分類されています。

おおすみ型は、外見上、全通飛行甲板をもつ揚陸艦に見えますが、航空機(ヘリ)の発着が行えるのは後部のみで、甲板の大半は車両などの輸送用に使用されるものです。

おおすみ型は、艦後部にウェルドックをもち、ヘリコプターを運用することも可能で、他国の揚陸艦に見劣りしない高い輸送・揚陸能力をもっています。

おおすみ型は海自が運用する艦艇ですが、その役割は陸上自衛隊の部隊や作戦に必要な戦車・車両などを輸送することであり、災害派遣や人道支援はもちろんのこと、自衛隊に新設された離党防衛のための部隊である水陸機動団と共同しての活躍も期待されている艦です。

1998年3月の1番艦「おおすみ」の就役を皮切りに、2002年に2番艦「しもきた」、2003年に3番艦「くにさき」が就役しており、3隻とも呉の第1輸送隊に所属しています。

おおすみ型1隻あたりの建造費は、272億円前後とされています。

おおすみ型の性能

おおすみ型は全長178.1m、排水量14000トン、速力22ノット、個艦防衛用として高性能20㎜機関砲2基を装備しています。

個艦乗員は145名で、ほかに陸上自衛隊の部隊330名の1個普通科中隊戦闘群と装備品を搭載することができ、災害派遣等では民間人約1000名を乗艦させることができます。

おおすみ型は、甲板の前部に力量20トンの第1エレベーター、後部に力量15トンの第2エレベーターをもち、艦橋には物資や重量物の運搬に使われる折り畳み式クレーンを備えています。

後部甲板には、2つのヘリスポットがあり、艦首側が駐機用、艦尾側が発着艦用となっていて、CH-47輸送ヘリを運用することができます。

車両搭載能力は、戦車18両、大型トラック65台です。

第1輸送隊のおおすみ型3隻で、完全武装した陸自隊員2000名と戦車1個中隊、特科1個大隊など普通科連隊戦闘団半個の輸送が可能です。

艦尾のウェルドックではエアクッション艇1号型(LCACホバークラフト揚陸艇)2隻を搭載でき、AAV7水陸両用戦闘車も運用することができます。

ほかにも、従来から使用されてきた交通船2150号型(LCM上陸用舟艇)も搭載できます。

おおすみ型は、医療設備も充実していて、手術室、集中治療室(2床)、病床(6床)を備えています。

おおすみ型は、1999年のトルコ地震、2004年のスマトラ沖地震への人道支援、東日本大震災への災害派遣など、災害への援助・支援活動での活躍も多く、海外派遣も何度も行われています。

第4位 アルビオン級揚陸艦 (イギリス)

引用:www.sankei.com

アルビオン級は、イギリス海軍が運用するドック型輸送揚陸艦で、2003年にネームシップの「アルビオン」が、2005年に2番艦の「ブルワーク」がそれぞれ就役しています。

前級のフィアレス級は、1番艦のフィアレスが1965年就役と老朽化が進んでおり、1982年のフォークランド紛争によって退役が先延ばしにされていたものの、本格的に更新が必要になっていました。

アルビオン級の性能

アルビオン級は全長176m、排水量18500トン、速力18ノット、航続距離8000浬で個艦要員は325名、ゴールキーパー近接防御システムに加え、20㎜機銃2基、12.7㎜機銃4基を装備しています。

艦首にはバルバス・バウをもち、イギリス海軍で初めての統合電気推進システムをもつ艦艇で、その結果として機関部要員3分の2に削減することに成功し、艦全体として40%の人員削減に成功しています。

揚陸部隊305名(最大710名)を乗せることができ、ヘリコプター3機を運用できる艦尾飛行甲板とウェルドックをもっています。

飛行甲板は長さ64mで、CH-47輸送ヘリの運用にも対応していますが、格納庫がないためヘリを常駐させることはできません。

車両搭載スペースには、主力戦車であるチャレンジャー2を6両、2トントラック16両、小型車両36両、糧食なら30トンを搭載することができます。

ウェルドックでは戦車も輸送可能なLCU Mk.10を4隻、人員と軽車両を輸送するLCVP Mk.5を4隻搭載することができ、アメリカ海軍のLCACホバークラフト揚陸艇2隻も運用可能です。

1番艦のアルビオンは、2004年に内戦が発生したコートジボワールからの在留イギリス人の避難を支援し、2018年4月に北朝鮮への監視が目的とみられるアジアへの派遣が行われ、このときには佐世保への寄港や、東京晴海埠頭での一般公開も行われました。

2番艦ブルワークは、改修によって航空機の夜間運用能力や、CH-47ヘリ2機を同時運用する能力を付与されています。

第3位 ミストラル級強襲揚陸艦 (フランス)

引用:ja.wikipedia.org

ミストラル級強襲揚陸艦は、フランス海軍が運用する最新の強襲揚陸艦で、フランス海軍では正式な艦種呼称として「指揮・戦力投射艦(BPC:Bâtiment de Projection et de Commandement)」という名称が付与されています。

ミストラル級はヴーラガン級ドック型揚陸艦の後継として2003年から建造がスタートし、2006年に1番艦「ミストラル」、2007年に2番艦「トネール」、2012年に3番艦「ディクスミュート」が就役しています。

ミストラル級は、大型の船体に全通飛行甲板や格納庫、ウェルドックをもち、強襲揚陸作戦において作戦・指揮の中核としての役割を果たすと同時に、単艦でも水陸両用作戦を実施できる航空機・戦闘車両の運用能力をもっています。

国際貢献など任務の多様化に対応するため、強襲上陸作戦以外にも人道支援など戦争以外の軍事作戦を考慮した多目的艦と位置付けられています。

ミストラル級の性能

ミストラル級は、全長199m、排水量21300トン、速力18.8ノット、航続距離10700浬で、ミストラル近接艦対空ミサイルシステム2基、20㎜機関砲2基、12.7㎜機銃4機、7.62㎜ミニガン2基を搭載しています。

乗員160名(士官20名、医療要員40名含む)に加え、兵員900名(短期)または400名(長期)を乗せることができます。

大型ヘリ16機または小型ヘリ35機の運用能力を持っていますが、STOVL機は運用しておらず、スキージャンプ勾配ももっていません。

車両格納スペースには、主力戦車ルクレール13両または戦闘車両60両の搭載能力があり、航空機を搭載しない場合には、さらに230両を乗せることができるようになります。

長さ120mにおよぶウェルドックは、LCM機動揚陸艇8隻、LCU汎用揚陸艇4隻、または、LCAC-1ホバークラフト揚陸艇2隻を搭載することができます。

さらに、病院船としての能力も充実しており、2つの手術室と19床のベッドがあり、ベッドはさらに50床を追加可能です。

ロシアへの売却キャンセル

ミストラル級は、2012年からロシア海軍向けに「ウラジオストク」「セヴァストポリ」の2隻がフランスで建造されており、1隻あたり8億8600万ドルで引き渡される予定でした。

しかし、2014年のクリミア紛争によるロシアへの国際的な非難の高まりにより、2015年8月に契約がキャンセルされました。

行き場のなくなった2隻は、その後2015年9月にエジプトが購入を決め、新しく「ガマール・アブドゥル・ナーセル」「アンワル・アッ・サーダート」と名付けられ、2016年からエジプト海軍で運用されています。

第2位 ワスプ級強襲揚陸艦 (アメリカ)

引用:www.businessinsider.jp

ワスプ級強襲揚陸艦は、アメリカ海軍が運用する強襲揚陸艦で、次級であるアメリカ級揚陸艦の就役もはじまっている現在も、アメリカ揚陸艦の主力として活躍している艦です。

ワスプ級は前級であるタラワ級揚陸艦をさらに大型化した世界最大級の揚陸艦で、アメリカ級の設計のベースにもなっています。

ワスプ級は、設計段階からSTOVL機やLCACホバークラフト揚陸艇の運用が考慮され、揚陸指揮艦、ヘリコプター揚陸艦、ドック型揚陸艦、貨物揚陸艦の機能を1隻で果たすことができるとされます。

そのため、空母のような完全な長方形の全通飛行甲板、ウェルドック、アイランド型の艦上構造物、艦全体の3分の1の長さの航空機格納スペースなどをもっています。

1989年から2009年にかけて1番艦の「ワスプ」から8番艦「マキン・アイランド」までが就役しており、艦名はかつての空母名や太平洋戦争などの古戦場名から採られています。

ワスプ級の性能

ワスプ級は、全長257.3m、排水量41335トン、速力22ノット、航続力9500浬で、25㎜機銃3基、12.7㎜機銃8基、8連装シースパロー個艦防衛用艦対空ミサイル発射機2基、21連装RAM近接防空ミサイル発射機2基を装備しています。

指揮管制能力が強化され、上陸作戦では旗艦を務めるほか、衛星通信などの最新のC4I(情報処理システム)を装備しています。

乗員は士官104名、曹士1004名で、ほかに海兵遠征部隊1900名を乗せることができます。

LCACホバークラフト揚陸艇3隻に航空機40機(ヘリコプター30機とSTOVL6~8機またはヘリコプター42機)を運用でき、上部と下部の2か所がある車両搭載スペースは、M1エイブラムス戦車5両、装甲車両25両(M2ブラッドレー歩兵戦闘車、AAV7水陸両用戦闘車、ハンヴィー汎用車両、ピラーニャ装甲車など)、M198自走砲8両、各種トラック68両、補給車両10両、支援車両数両という大搭載量をもっています。

ワスプ級は、揚陸作戦支援能力だけでなく、航空機による打撃能力や対潜作戦能力をもたせるため、航空機関連設備が充実しており、タラワ級よりも車両・貨物の搭載スペースは減少しています。

広い艦内には、揚陸隊員の居住スペースや装備・資材の収納スペースがあり、集中治療室14床、手術室4室と医療設備も充実しています。

第1位 アメリカ級強襲揚陸艦 (アメリカ)

引用:www.businessinsider.com

アメリカ級強襲揚陸艦は、ワスプ級の最終艦「マキン・アイランド」をベースに建造されたアメリカ海軍の最新の揚陸艦です。

現在は2014年に就役した1番艦のアメリカのみ運用されており、2番艦「トリポリ」と3番艦「ブーゲンヴィル」も建造中で、最終的には12隻が配備される予定になっています。

マキン・アイランドはワスプ級のなかでも様々な新技術を採り入れた艦で、アメリカ級はマキン・アイランドと設計の45%が共通とされています。

アメリカ級の性能

アメリカ級は、全長257.3m、排水量40236トン、速力22ノット、航続距離9500浬、兵装としてはファランクス20㎜近接防御火器システム3基に加え、8連装シースパロー短距離艦対空ミサイル発射機2基、21連装RAM艦対空ミサイル発射機2基、12.7㎜機銃7基と充実した装備をもっています。

全通飛行甲板には、9か所のヘリコプター発着スポットをもち、ヘリ及びティルトローター機29機の運用能力をもち、固定翼機としてSTOVL機であるF-35B6機を搭載することができます。

他にも、従来から海兵隊で使用されているハリアーⅡ攻撃機の運用などが予定されており、搭載機数は通常、固定翼機のSTOVL機6機+オスプレイMV-22B12機+各種ヘリで計30機という組み合わせが想定されています。

アメリカ級は、ワスプ級の3倍となる130万ガロンの航空燃料を搭載することができ、これはF-35B戦闘機650機分の燃料に相当します。

乗員は士官65名、曹士994名で、さらに1687名~1871名の海兵隊員を乗艦させることができます。

マキン・アイランドではアメリカ軍では初となる主機関へのCODLOG方式(電気・ガスタービン複合推進方式)の採用が行われましたが、これはアメリカ級にも引き継がれています。

これにより、ワスプ級の蒸気タービン主機関と同等の出力を確保できる上、燃料消費は半分以下に削減できるという低燃費性を実現しています。

アメリカ級は、航空機運用能力の向上を追求した結果、従来の強襲揚陸艦では必須といえたウェルドックが廃止されることになりました。

もともと、アメリカ級ではウェルドックの搭載が予定されていましたが、建造費用が高騰するため、航空機とトレードオフにされたという経緯があります。

しかし、これには海兵隊からの強い反発があり、結果、3番艦ブーゲンヴィルからはウェルドックを復活してLCAC-1ホバークラフト揚陸艇の運用を可能になる見込みとなりました。

これが実現すれば、アメリカ級は空母並みの航空機運用能力に加え、高い揚陸能力も併せ持った、排水量50000トン越えの超巨大艦となる予定です。

まとめ

以上、水陸両用作戦には欠かせない、世界各国の揚陸艦を紹介してきました。

揚陸艦は、上陸作戦に使われるだけでなく、その高い輸送能力が様々な任務に重宝され、大国だけでなく中小国の海軍でも使用されています。

日本でも、陸上自衛隊に島嶼戦を主任務とする水陸機動団が誕生し、海上自衛隊でもこれから揚陸艦の存在がさらに重要になっていくと思われます。

今後も、世界各国でどのような揚陸艦が開発されるのか、注目されるところです。

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