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世界最強のイージス艦ランキングTOP10

イージス艦という名前は、軍事に興味のない人でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

北朝鮮のミサイル発射などに関連してニュースなどでも取り上げられ、海上自衛隊の「こんごう」や「あたご」といったイージス艦は護衛艦のなかでも比較的有名です。

それでは、イージス艦とはいったいどういう艦艇で、日本のほかにはどんな国のどのようなイージス艦があるのでしょうか。

ここでは、世界各国で運用されているイージス艦をランキング形式で見ていきたいと思います。

イージス艦とは

引用:interestyou.info

イージス艦とは、イージス防空システムによって、敵の対艦ミサイルなどから艦隊を防衛することを任務とする艦です。

イージスシステムは、1970年代からアメリカで開発が始められたもので、冷戦時代にアメリカ海軍に対抗するため対艦ミサイルの大量配備を行ったソ連海軍から空母など重要な艦艇を守るためのものでした。

イージス艦は、艦上構造物にフェイズドアレイ・レーダーと呼ばれる強力なレーダーを装備して周囲を警戒し、他艦とのデータリンクを駆使して、一挙に大量のミサイルによる攻撃に対処することが可能です。

引用:http://jmsdf.info

イージス艦は対空ミサイル発射装置を装備し、接近してくるミサイルのうち脅威度の高いものから順に選別して迎撃し、成功すれば次の目標を攻撃、外れればもう一度同じ目標を攻撃するなどをコンピュータの判断により行い、従来の対空防御よりはるかに効率的で有効な対空戦闘を行うことができます。

引用:en.wikipedia.org

データリンクによって艦隊の他の艦や航空機に目標を割り振って攻撃を行わせることも可能です。

さらに、通常のミサイルだけでなく弾道ミサイルを迎撃するBMD(Ballistic Missile Defence:ミサイル防衛)能力をもったイージス艦も存在します。

引用:ameblo.jp

アメリカ軍のイージスシステムは「ベースライン」と呼ばれるいくつかのバージョンに分けられ、初期のベースライン0から最新のベースライン9までが存在します。

1983年に就役したアメリカ海軍の巡洋艦「タイコンデロガ」がイージスシステム搭載艦第1号となり、その後、日本がアメリカ以外で世界初の導入国になり、スペイン・ノルウェー・韓国・オーストラリアと現在世界6か国でイージス艦が運用されています。

同じイージス艦でもその艦種は、巡洋艦・駆逐艦・フリゲートと様々で、実はイージス艦は戦艦や空母といった軍艦の種別ではなく、イージスシステムを搭載している艦のことを指しています。

アメリカ以外でもイージスシステムと同様の防空システムをもった艦を建造している国もあり、イギリスのデアリング級駆逐艦、ドイツのザクセン級駆逐艦、ロシアのアドミラル・グリゴロヴィッチ級フリゲートなどあります。

近年では、中国も中華イージスと呼ばれる防空システムを搭載した艦を就役させています。

しかし、本家のイージスシステムのほうがこうした他国の防空艦よりもはるかに高い性能をもっているとされます。

第10位 蘭州級駆逐艦/昆明級駆逐艦(中国)

引用:seesaawiki.jp

蘭州級駆逐艦は、中国が開発したミサイル駆逐艦で、中国軍では052C型と呼ばれ、アメリカのイージス艦をモデルに使用な外観から「中華イージス(中華神盾)」艦と呼ばれています。

蘭州級はイージス艦と同じく防空を任務とする艦ですが、イージス艦とは、本来アメリカ軍のイージスシステムを搭載した艦を指すため、蘭州級は正確にはイージス艦には含まれません。

イージス艦ランキングなのに最初からイージス艦以外の艦を紹介することになっていますが、蘭州級はイージス艦同様のフェイズドアレイ・レーダーを艦橋構造物に貼りつけ、中国独自の防空ミサイルシステムを搭載していて、その役割はイージス艦に求められているものと変わりません。

蘭州型の性能

蘭州型は全長155m、排水量7112トン、乗員280名、速力29ノット、HHQ-9対空ミサイル用発射装置VLS 8基、YJ-62対艦ミサイル4連装発射機2基、100㎜単装速射砲1門、対潜ロケット砲、3連装単魚雷発射管2基に加え、哨戒ヘリコプター2機を運用する能力をもっていて、性能面では他国のイージス艦に劣るものではありません。

ただ、実際の防空システムの性能がイージスシステムと比べてどの程度のものなのかについては、情報が公開されていないため不明な点が多くあります。

蘭州級は、アメリカ海軍のイージス艦アーレイ・バーク級駆逐艦をモデルにしているとされますが、蘭州級の能力はアメリカのイージス艦に劣る面があるという設計技術者の証言も存在しています。

後継型の大量建造と中華イージス艦隊

引用:ja.wikipedia.org

蘭州級は2004年の1番艦「蘭州」を筆頭に6隻が建造され、2011年からは後継型として能力発展型である昆明級駆逐艦(052D型)の大量建造も始まり、現在までに10隻以上が就役しているとされます。

昆明級ではさらに対潜ミサイルや巡航ミサイルの運用も可能になっているとされます。

こうした防空艦を大量に配備する背景には、なんといっても中国がアメリカと同じく空母打撃部隊の整備を考えているからでしょう。

アメリカのイージスシステムも空母を守ることを目的として開発されましたが、海軍戦力の拡大により外洋への進出を狙う中国がこうした艦の建造に力を言えるのも自然なことだといえます。

第9位 フリチョフ・ナンセン級フリゲート(ノルウェー)

引用:http://www.seaforces.org

フリチョフ・ナンセン級フリゲートはノルウェー海軍のイージスシステム搭載フリゲート艦で、これを導入することでノルウェーはスペインに次ぐヨーロッパで2番目のイージス艦保有国になりました。

フリチョフ・ナンセン級の性能

フリチョフ・ナンセン級は、全長133.2m、排水量5290トン、乗員120名、速力26ノットで、兵装はオットー・メララ62口径76㎜スーパーラピッド砲1門、シースパローESSMミサイル、国産の対艦ミサイルNSM4連装発射筒2基、対潜用連装単魚雷発射管2基などを搭載しています。

設計にあたってはスペインのアルベロ・デ・バサン級を参考にしたとされています。

外見で特徴的なのが、艦橋上の楕円のような丸っこい艦上構造物で、フリチョフ・ナンセン級ではここにフェイズドアレイ・レーダーのアンテナを配置しています。

”ミニ・イージス” フリチョフ・ナンセン

フリチョフ・ナンセン級のイージスシステムは従来のものを小型・簡略化したイージスIWSシステムで、その小さな艦体とあいまって、世界最小のイージス艦、「ミニ・イージス艦」とも呼ばれます。

2006年から2011年の間にネームシップのフリチョフ・ナンセンをはじめとして同型艦計5隻が建造され、フリチョフ・ナンセンは2009年にインド洋での海賊対処作戦にも参加しました。

2018年11月には、4番艦「ヘルゲ・イングスタッド」が演習からの帰りに石油タンカーと衝突事故を起こすという事件も起きていて、艦は沈没を避けるため意図的に座礁したものの、結局艦体のほとんどが水没してしまいました。

第8位 ホバート級駆逐艦(オーストラリア)

引用:http://hobato.mato.media

ホバート級駆逐艦は、オーストラリア海軍が運用するイージスシステムを搭載したミサイル駆逐艦で、スペインのアルバロ・デ・バサン級フリゲートをもとに設計した派生形です。

オーストラリアはこれによって世界で6番目のイージス艦保有国になりました。

ホバート級の性能

ホバート級は、全長147.2m、排水量6250トン、乗員180名、速力28ノットとなっており、サイズや外観のデザインはアルバロ・デ・バサン級とほぼ同じになっています。

兵装もシースパロー艦対空ミサイル用発射装置、ハープーン艦対艦ミサイル4連装発射2基対潜用連装短魚雷発射管2基、62口径5インチ単装砲、SH-60Bシーホークヘリ1機搭載と、小さな船体に合わせて限られた武装のみになっているのもアルバロ・デ・バサン級同様で、イージスシステムはベースライン7に一部オリジナルのシステムを組み合わせたものになっています。

そのほか、海賊やテロリストの小型舟艇に対処するためのM242ブッシュマスター機関砲が2門搭載されているのも特徴です。

6番目のイージス艦保有国

もともとイギリス連邦のオーストラリアは、イギリスから海軍技術を導入していましたが、1960年代に駆逐艦のミサイル艦化の流れに伴い、アメリカから艦対空ミサイルシステムのターター・システムをきっかけにアメリカからの技術導入をはじめ、2004年にはイージスシステムの採用を決定しました。

最初はアメリカのアーレイ・バーク級駆逐艦をベースにした案も検討されていましたが、取得までの時間とコストの問題から、スペインのアルバロ・デ・バサン級ベースの案が採用されました。

複雑なイージスシステムの導入にあたっては、すでにアメリカから導入していた海上自衛隊から助言を受けたという話もあります。

2017年にネームシップのホバート、2018年に2番艦のブリズベンが就役し、3番艦のシドニーは2020年に就役予定です。

2006年にオーストラリア政府は弾道ミサイル迎撃能力の調査も行っていて、将来的にBMD能力が付与される可能性がありますが、オーストラリア海軍では現在新型フリゲートの建造を予定しているため、ミサイル防衛装備はこちらに搭載する可能性もあります。

第7位 アルバロ・デ・バサン級フリゲート(スペイン)

引用:http://boasundemugardos.blogspot.com

アルバロ・デ・バサン級フリゲートはスペイン海軍初となるイージスシステム搭載艦で、これによってスペインはアメリカ、日本に次ぐ世界で三番目のイージス艦保有国になりました。

小型の船体にイージスシステムを搭載したアルバロ・デ・バサン級は、ノルウェーのフリチョフ・ナンセン級やオーストラリアのホバート級のモデルにもなりました。

アルバロ・デ・バサン級の性能

アルバロ・デ・バサン級は、全長146.4m、排水量5947トン、乗員201名、速力28ノット、艦体が小さいため兵装は限定的で、シースパロー対空ミサイル用発射装置、ハープーン対艦ミサイル4連装発射筒2基、Mk45 Mod2 54口径5インチ単装砲1門、対潜用連装単魚雷発射管2基を搭載しています。

世界初のイージスフリゲート

もともと、スペインはドイツ・オランダとともに三か国で防空システムを備えたフリゲートの共同開発計画を進めていました。

しかし、アメリカと歩調をあわせた艦隊整備を目指すスペインは、独自路線の防空システムを志向するドイツ・オランダとのスタンスの違いが現れるようになり、やがて計画から脱退して実績あるアメリカのイージスシステム導入を決定します。

イージスシステムは、それ以前には巡洋艦や駆逐艦など比較的大型の艦にしか搭載実績がなく、小型のフリゲートへの搭載は初めてになりました。

そのため、アルバロ・デ・バサン級は、スペインの独自開発といえる世界初のイージスフリゲートになっています。

艦隊中央の艦上構造物は、艦橋の位置を低く抑え、その上に設けた構造物にフェイズドアレイ・レーダーを設けているのが特徴です。

ネームシップのアルバロ・デ・バサンをはじめとして、2002年から5隻が就役し、もともとは6隻建造の予定でしたが、6隻目は最終的に計画中止になっています。

アルバロ・デ・バサン級の運用

アルバロ・デ・バサンは2005年にアメリカ空母「セオドア・ルーズベルト」の戦闘部隊の一員としてペルシア湾に派遣されました。

アメリカ軍のイラクの目標に対する攻撃に協力したという話もあります。

2番艦の「アルミランテ・ファン・デ・ボルボーン」は、2008年にNATO艦隊とともにトルコのボスポラス海峡を抜けて、黒海に向かう共同演習に参加しています。

第6位 世宗大王級駆逐艦(韓国)

引用:ja.wikipedia.org

世宗大王(セジョン・デ・ワン)級駆逐艦は、韓国海軍初のイージスシステム搭載型ミサイル駆逐艦です。

世宗大王級の就役によって、韓国は日本、スペイン、ノルウェーに次ぐ世界で5番目のイージス艦保有国になりました。

世宗大王級の性能

世宗大王級駆逐艦は、全長165.9m、排水量10290トン、速力30ノット、乗員300名で、「天竜」対地ミサイル32発、「紅鮫」対潜ミサイル16発、「海星」対艦ミサイル4連装発射筒4基にRAM近接防空ミサイル21連装発射機1基、3連装魚雷発射管2基、哨戒ヘリコプター2機搭載というイージス艦のなかでもトップクラスの重武装艦となっています。

これには、国力上大型艦を多数配備することができないため、1隻あたりの能力をできるだけ高くしたいという韓国海軍の事情も存在しています。

ですが、現在のところ世宗大王級にはBMD能力は付与されていません。

多数の武装を搭載しているため、トップヘビー気味とも指摘されますが、朝鮮半島近海に限定しての運用を想定しているため許容範囲と考えられているようです。

イージス艦大国を目指す韓国

1番艦の世宗大王が2008年12月、2番艦「栗谷李珥」が2010年、3番艦「西厓柳成龍」が2012年に就役しており、名称は国王や学者など朝鮮史の有名な人物の名前から採られています。

2013年にはさらに3隻を追加で建造し、イージス艦6隻体制にすることが決定されましたが、予算的な問題もあるため、本当に導入できるかどうか疑問視する声もあります。

第5位 こんごう型護衛艦(日本)

引用:http://world-weapons.net

こんごう型護衛艦は、海上自衛隊初のイージスシステムを搭載した護衛艦であり、これによって日本はアメリカ以外で初となるイージス艦保有国になりました。

こんごう型の性能

こんごう型は、全長161m、排水量7250トン、乗員300名、速力30ノットで、54口径127㎜単装速射砲1門、SM-2・SM-3ミサイル及びアスロック発射装置Mk41 VLS 2基(29+61セル)、ハープーン4連装発射筒2基、3連装単魚雷発射管2基を装備しています。

こんごう型は、重要区画にニッケルクロム鋼やセラミックを使用しているため、艦の装甲防御力においてはアーレイ・バーク級も上回るとされています。

格納庫はないものの、ヘリ甲板をもっていてヘリが連絡や給油のために着艦することが可能です。

長期の航海にそなえて艦内に理髪店を設けたり、NBC兵器対策のため艦内を与圧する方式を取り入れるなど、それまでの海自艦にはなかった建造法を導入しているという特徴もあります。

世界初のイージスシステム輸出

海上自衛隊でのイージスシステム導入が検討されたのは1981年頃のことで、当時の海自が進めていた護衛艦8隻・ヘリ8機の陣容をとる通称「八八艦隊」において、ミサイルなどの同時多目的交戦能力が求められたためでした。

アメリカとの交渉の末、日本に対する世界初のイージスシステムの輸出が認められることになりました。

こんごうは、1991年8月26日に三菱長崎造船所で進水し、1993年3月25日に就役しました。

その後、三菱長崎造船所で建造された2番艦「きりしま」が1995年3月16日に、3番艦「みょうこう」が1996年3月14日に就役し、石川島播磨東京第1工場で造られた4番艦「ちょうかい」は1998年3月20日に就役しています。

こんごう型の艦名はすべて山の名前に由来していて、それまで「~かぜ」だった海自艦の命名方法と異なり、日本海軍の戦艦や巡洋艦の名前を引き継いでいます。

こんごう型の建造費は、1隻あたり約1200億~1300億円といわれています。

ミサイル防衛の要 こんごう型

こんごう型は、海自の顔となる護衛艦で、イージス艦の代表的な艦として国内でも高い認知度をもっています。

もともと、海自がイージス艦を求めた理由は冷戦時代のソ連の脅威に対抗するためで、冷戦終結後はこんごう型がオーバースペックと見られた時期もありました。

しかし、1998年の北朝鮮によるテポドンの発射によってテポドン・ショックが起きると、イージス艦の重要性が再認識されることになりました。

こんごう型にはBMD能力が付与され、4隻ともが弾道弾迎撃ミサイルSM-3の運用能力をもっています。

2010年10月28日にハワイ沖で実施された弾道ミサイル迎撃試験では、「きりしま」から発射されたSM-3が見事大気圏外で模擬弾道ミサイルに命中し、撃墜に成功しています。

こんごう型の運用

現在、「こんごう」は第1護衛隊群第5護衛隊(佐世保)、「きりしま」が第2護衛隊群第6護衛隊(横須賀)、「みょうこう」が第3護衛隊群第3護衛隊(舞鶴)、「ちょうかい」が第4護衛隊群第8護衛隊(呉)に所属しています。

1998年には「みょうこう」が北朝鮮の発射したテポドン1号の探知・追尾に成功してイージス艦の本領を発揮し、1999年には同じく「みょうこう」が能登半島沖に出現した北朝鮮不審船に対する自衛隊初の海上警備行動で警告射撃を実施しています。

2002年12月には「きりしま」がイージス艦として初めてインド洋へ派遣されました。

さらに、「きりしま」は2010年8月にBMD装備認定試験のためにハワイのパールハーバーを訪れた際、偶然現地で映画「バトルシップ」の撮影が行われていたため、これに協力して実物として出演しています。

映画冒頭のアメリカ海軍と海自の対抗サッカー試合のシーンでは、「きりしま」の実際の乗組員が護衛艦の乗員役としてエキストラ出演しています。

第4位 タイコンデロガ級巡洋艦(アメリカ)

引用:http://blog.livedoor.jp

タイコンデロガ級巡洋艦は、世界最初の実用イージス艦として就役したアメリカ軍の巡洋艦です。

タイコンデロガ級は1983年から1994年までに27隻が建造され、アメリカ軍の巡洋艦ではクリーブランド級巡洋艦と同じく最多建造数を誇る艦です。

タイコンデロガ級の性能

タイコンデロガ級巡洋艦は、全長172.9m、排水量9957トン、乗員358名、速力30ノットとなっています。

1番艦のタイコンデロガが就役した頃は、イージスシステムと連携した戦闘システムがまだまだ未完成でしたが、SM-2対空ミサイル発射のためのMk.41垂直発射システム(VLS)も開発中でした。

建造時からVLS(61セル×2)が搭載されたのは、6番艦「バンカーヒル」からで、現在ではSM-2のほか弾道弾迎撃ミサイルSM-3、トマホーク巡航ミサイル、アスロックを運用することができます。

ほかに、Mk.45 5インチ単装砲2門、3連装単魚雷発射管2基などを搭載し、MH-60R哨戒ヘリコプターを2機運用することができます。

タイコンデロガ級はAAW型(対空戦仕様)とBMD型(弾道ミサイル防衛仕様)の2種類に分けられます。

AAW型は空母打撃群の直衛部隊の指揮を執り、対空ミサイルにはイージスシステムを、潜水艦にはアスロックと哨戒ヘリを活かして空母を守るのが役目です。

現在はカリフォルニア級巡洋艦の退役に伴い、アメリカ海軍が運用する唯一の巡洋艦になっています。

1番艦タイコンデロガの就役は1983年であるため、既に旧式の部類に入るタイコンデロガ級ですが、アメリカ軍のイージス艦戦力としてはいまだに高い能力を保持しています。

初期の頃はベースライン0~1だったイージスシステムも近代化改良によるアップデートが常に行われているため、現在ではベースライン8または9が搭載されています。

タイコンデロガ級の運用

冷戦時代に開発されたタイコンデロガ級は、当初はソ連の長距離爆撃機と空対艦ミサイルから虎の子の空母を守ることを目的にしていました。

1988年、ペルシア湾で3番艦の「ヴィンセンス」がイラン航空の旅客機エアバスA300をイラン空軍のF-14戦闘機と誤認して撃墜し、これが現在までイージス艦がイージスシステムを用いて航空機を実際に撃墜した唯一の事例となっています。

トマホーク巡航ミサイルの運用能力をもつタイコンデロガ級は、防空任務だけでなく、湾岸戦争やイラク戦争で対地攻撃も行っています。

第3位 あたご型護衛艦(日本)

引用:ja.wikipedia.org

こんごう型の建造により、アメリカを除いては世界でただ1つのイージス艦保有国となった日本は外国海軍からも羨望の的になりました。

しかし、こんごう型は高い能力をもっている一方、ドックイン中や演習によって警戒監視任務から外れているときには、護衛艦隊の戦力が大幅にダウンしてしまう問題も指摘されていました。

そこで、2000年代のミサイル護衛艦「たちかぜ」「あさかぜ」の退役に伴い、海上自衛隊はこんごう型の能力発展形となる新たなイージス艦の建造を決定しました。

それが、あたご型巡洋艦で、1番艦「あたご」は2007年に、2番館「あしがら」は2008年に就役しました。

あたご型の性能

あたご型は全長165m、排水量7750トン、乗員310名、速力30ノットで、対空ミサイル用のMk.41VLSはこんごう型の90セルから6セル増えて96セルになり、対空ミサイルとアスロック対潜ミサイルの搭載量が増加しました。

ほかにも、対艦ミサイル90式SSM4連装発射筒2基、ステルスシールド付き62口径5インチ単装砲1門、3連装単魚雷発射管2基といった武装を搭載しています。

イージスシステムは、建造時ベースライン7・1Jでしたが、その後BMD能力付与を含むベースライン9への更新が実施されています。

建造はこんごう型と同じく三菱重工業長崎造船所で、建造費は1475億円とされています。

設計の多くはこんごう型を踏襲していますが、あたご型ではヘリの飛行甲板に加え、こんごう型にはなかった格納庫も設けられています。

現在のところは固有の艦載ヘリや飛行要員は配置されていませんが、航空管制室やヘリコプター用弾庫も備わっています。

さらに、あたご型はこんごう型よりもステルス性が重視した構造になっていて、直線と平面で構成され後部に傾斜した塔型マストによってステルス性を向上させています。

マストから伸びるヤードやヤードの支柱、柵の支柱なども断面積が四角い角柱になっていて、ステルス性を上げるための工夫が施されています。

ほかにも砲塔や煙突なども角張った造りになっていて、艦全体がRCS(レーダー反射断面積)を小さくする設計になっています。

あたご型の運用

艦名は保津川を望む京都の愛宕山と、金太郎伝説で有名な足柄山(金時山)からつけられ、2隻とも太平洋線で戦った日本海軍の巡洋艦の名を受け継いでいます。

「あたご」は第3護衛隊群第3護衛隊(舞鶴)、「あしがら」は第2護衛隊群第2護衛隊(佐世保)に所属しています。

「あたご」は就役間もない2008年2月に千葉県野島崎沖で、漁船「清徳丸」との衝突し、漁船のほうが沈没、乗員2名が死亡するという事故を起こしました。

この事件は大きく報道され、不名誉な形で「あたご」の名が広く知られることになりました。

この事件では、海難審判では「あたご」側に事故の主因があるとされましたが、刑事裁判では「あたご」側に衝突回避義務はなかったとして無罪判決が下され、2つの裁判で判断が分かれることになりました。

2011年の東日本大震災の際には、災害派遣も行われています。

「あたご」は2016年からBMD能力付与の近代化改修工事のため長期入渠を行い、同様の工事は「あしがら」でも行われています。

2018年9月12日にハワイ沖で行われた弾道ミサイル迎撃テストで、「あたご」は模擬弾道ミサイル標的に見事大気圏外でSM-3ミサイルを命中させています。

第2位 まや型護衛艦(日本)

引用:www.sankei.com

まや型は、2018年7月30日に1番艦「まや」が進水したばかりの、海上自衛隊の新型護衛艦で、あたご型の発展型となる最新のイージス艦です。

まや型の性能

まや型は、全長170m、排水量8200トン、乗員300名、速力30ノット、対空ミサイル発射装置Mk.41VLS 2基(96セル)、対艦ミサイル17式SSM4連装発射筒2基、62口径5インチ単装砲1門、3連装単魚雷発射管2基を搭載しています。

まや型は、あたご型のガスタービンエンジン4基搭載から、ガスタービン2基とガスタービン主発電機によって駆動される推進電動機2基搭載に変更され、高速時にはガスタービンエンジン、低速・巡行時には電気推進を使い分けることによって燃費と航続距離を向上させています。

海自の誇る次世代イージス艦

まや型1番艦の「まや」は、27(ふたなな)DDG(27年度護衛艦)として、ジャパンマリンユナイテッド横浜事業所磯子工場で建造され、建造費は約1680億円とされています。

艦名は兵庫県神戸市の摩耶山から採られ、日本海軍の高雄型巡洋艦4番艦「摩耶」の名前を受け継いでいます。

まや型はあたご型の改良形として設計されたイージス艦で、外観やヘリ格納庫の搭載など共通するところも多いですが、排水量・全長が大きくなっています。

従来の戦術データリンクを上回る高速・リアルタイム・データリンクで他の艦や航空機と情報を共有できるCEC(共同交戦能力)と、各種の対空センサー・防空兵器を効率的に運用できるNIFC-CA(ニフカ:海軍統合射撃指揮対空能力)を備えていて、自艦のレーダーの探知範囲外の敵に対してもリモート交戦(EOR)が可能です。

さらに、ほかのイージス艦と違って建造時から弾道弾迎撃ミサイルであるSM-3を運用でき、BMD(弾道ミサイル防衛)能力をもっているのも大きな特徴です。

「まや」は2020年3月に就役予定で、第1護衛隊群第1護衛隊(横須賀)に配備予定です。

さらに、平成28年の予算には2番艦の建造費として1734億円が計上され、28DDG(28年度計画艦)は2018年に起工され、2021年に竣工予定となっています。

第1位 アーレイ・バーク級駆逐艦(アメリカ)

引用:interestyou.info

アーレイ・バーク級駆逐艦は、アメリカ海軍の運用するミサイル駆逐艦で、イージスシステムによる艦隊防空を任務とする艦です。

アーレイ・バーク級は現在までに70隻以上が建造され、第二次大戦以降のアメリカ海軍水上戦闘艦としては最多の建造数を誇ります。

艦名には英雄的な功績を残したアメリカ海軍の軍人等の名前が選ばれていて、普通は提督や将校といった上級軍人から選ばれるところですが、64番艦「ラルフ・ジョンソン」はベトナム戦争で仲間を庇って戦死したラルフ・ジョンソン海兵隊1等兵から、65番艦「ラファエル・ペラルタ」はイラク戦争で仲間を庇って戦死したラファエル・ペラルタ海兵隊3等軍曹の名前からというように、軍曹や1等兵からも艦名がつけられているという事実は、いかにアーレイ・バーク級の同型艦の数が多いかを表しています。

アーレイ・バーク級の性能

アーレイ・バーク級は、全長153.8m、排水量8315トン、乗員316名、速力31ノット、SM-2対空ミサイル・トマホーク巡航ミサイル・アスロック用Mk.41 VLS(32セル+64セル)、62口径5インチ単装砲、3連装単魚雷発射管2基に加え、MH-60R哨戒ヘリコプター2機を運用する能力をもっています。

初就役から30年の歴史をもつアーレイ・バーク級は、ヘリコプター格納庫などをもたない初期の「フライトⅠ」、情報システムなどが改良された「フライトⅡ」、ヘリを搭載し外洋での運用能力を高めた「フライトⅡA」の3つのタイプに分けられます。

アーレイ・バーク級の中には最新のSM-6ミサイルの運用能力やイージスシステム・ベースライン9を搭載し、弾道ミサイルの終末段階での迎撃や、対空戦闘と弾道ミサイル迎撃を同時に行うことができます。

アメリカ海軍イージス艦の主力

現在、アメリカ海軍が運用する駆逐艦は、アーレイ・バーク級ズムウォルト級の2種類のみとなっています。

後継艦となるはずだったズムウォルト級は、建造数が3隻まで削減されたため、アーレイ・バーク級は今後もアメリカ軍の主力を担っていくことになり、2016年からは「フライトⅢ」の建造も開始されています。

アーレイ・バーク級の建造費はフライトⅡAで15億ドル(約1600億円)、フライトⅢで20億ドル(約2100億円)とかなりの高額ですが、それをこれだけ大量に建造するのは、それだけアーレイ・バーク級が強力な能力をもち、アメリカ海軍にとってなくてはならない存在だからだといえます。

まとめ

以上、世界各国のイージス艦を紹介してきました。

イージス艦をもっている国というのは世界中でも数が少なく、その存在は貴重かつ重要であり、戦略的・外交的にも意味をもつ存在です。

最近では日本でも、イージスシステムを陸上に置いてミサイル防衛を行う、「陸上イージス」と呼ばれるイージス・アショアの導入が計画されています。

それだけイージスシステムが優れた防空システムであるといえ、これからも、イージス艦は世界の海軍において注目される存在であり続けることでしょう。

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