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チンパンジーもカニが好き!京大グループが初観察

Credit: Kathelijne Koops

Point

■チンパンジーがカニを食糧にすることが判明

■大人のメスとその子どもたちが、大人のオスたちよりも頻繁に、かつ長時間にわたってカニ捕りを行う

■水生動物の消費によって長鎖多価不飽和脂肪酸の摂取量が増えたことで、類人猿やヒトの脳は大きく、強力に進化した可能性も

「そうそう、カニ美味しいもんね〜」思わず親近感が湧いてしまうニュースだ。

チンパンジーはほぼベジタリアンだが、時には趣向を変えて違うタイプの栄養素も補うようだ。チンパンジーのメニューに、カニも登場することが明らかになった。

Credit: pixabay

チューリッヒ大学の人類学者キャサリン・クープス氏を含む京都大学のグループは、類人猿が日常的に水の中の生き物を捕まえて食べることを示す初めての証拠だと説明している。論文は、「Journal of Human Evolution」に掲載されている。

Crab-fishing by chimpanzees in the Nimba Mountains, Guinea
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0047248418302069?via%3Dihub

アリが足りなきゃカニ食べよう

果実・葉・木の実・種子など、大量の植物を食べる大食漢のチンパンジーだが、時には動物の肉やはちみつを食べることもある。

とはいえ、これらは摂取する栄養素全体のうち動物由来の栄養素が占める割合は6%ほどに過ぎない。

クープス氏らは、西アフリカ・ギニアのニンバ山塊にある熱帯林に住むチンパンジーが、森の中で小川を探していることを発見した。小川を探し当てたチンパンジーは、川底を掻き回し、溜まり水にいるサワガニを人差し指と中指でつかんでは、次々と口元へ運んで食べていた。

研究チームの調査によると、チンパンジーは一年を通じてカニを食べるようだ。乾季の間も小川にはカニが住むために十分な水が流れており、カニへの嗜好は乾季でも雨季でも変わらない。

「そうだ!カニ食べよう」/ Credit: pixabay

面白いのは、カニの消費によって相殺を受けているのがアリだということだ。チンパンジーは、アリをたくさん食べるほどカニの消費が減り、反対にカニをたくさん食べるほど、アリの消費が減るのである。カニとアリは、チンパンジーにとって似たような栄養価値を持つのかもしれない。

母親が子どもたちにサワガニ捕りを伝授

驚くべきは、それだけではない。

大人のメスとその子どもたちが、大人のオスたちよりも頻繁にかつ長時間にわたって、カニ捕りを行うことが分かったのだ。

クープス氏は、その要因をカニに含まれる栄養素(特に脂肪酸)が、母親と子どもの健康に特に重要である可能性を指摘しているが、詳細は明らかになっていない。

また、母親が子どもたちにカニを捕まえるテクニックを教えていることも分かった。小川は、生存に不可欠な食糧獲得の技術を次世代に伝授するための、命の教室でもあるのだ。

この発見は、チンパンジーにかぎらず、私たちヒトの進化についても重要なヒントを与えてくれそうだ。類人猿やヒトにとって、水中動物は長い時間をかけて重要な栄養源に変化してきた。

一説によると、水生動物の消費によって長鎖多価不飽和脂肪酸の摂取量が増えたことで、脳はより大きく、強力に進化してきた可能性もあるようだ。

この説はまだ仮説に過ぎないが、チンパンジーがカニを愛してやまないことだけは間違いないだろう。

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reference: zmescience / written by まりえってぃ