都市伝説・考察・陰謀・不思議・オカルト

シャンパンのコルクを飛ばす時、戦闘機と同じ衝撃波が発生していた

Credit:pixabay

Point

■シャンパンのコルクが飛ぶ際に生じる衝撃波は、戦闘機が生じる超音速排気ガスの衝撃波と同じ原理であることが判明

■コルクの衝撃波は、瓶のネック部分の溜まった高圧ガスが瞬間的に逃げ出すことで生じる

■実験により、ボトルの保存温度で、衝撃波の色が変化することも明らかに

シャンパンのコルクを開ける時、思いの外強く飛んでしまい驚くことがあります。この開栓時の衝撃波には、意外なものと共通点があったようです。

フランス大学(仏)の研究で、このコルクを開けた瞬間に生じる衝撃は、戦闘機が発する超音速排気ガスの衝撃波と同じ種類のものであることが判明しました。

これは「マッハ・ディスク」と呼ばれる可視的な衝撃波で、排出されたガスが音速の2倍を越えるスピードで膨張するときに生じるものです。

これと同じ現象が、コルクを開ける際にも生じていたとは驚きですね。しかもシャンパンボトルの保存温度によっては、発生する衝撃波の色も変わってしまうとのこと。

研究の詳細は、9月20日付けで「Science Advances」に掲載されました。

Under-expanded supersonic CO2 freezing jets during champagne cork popping
https://advances.sciencemag.org/content/5/9/eaav5528

衝撃の瞬間をハイスピード撮影

研究チームは、コルクが飛ぶ瞬間に起こる現象を詳しく分析するために、ハイスピードカメラを用いて撮影を行いました。

その映像がこちら。

研究主任のGérard Liger-Belair氏によると「コルクの衝撃波は、瓶の首部分に長く溜まっていた高圧ガスが瞬時に逃げることで生じる」といいます。これは戦闘機における「マッハ・ディスク現象」と同じ原理です。

衝撃波が生成されるプロセスは以下の通り。

まず、コルクが瓶から外れると、瓶上部に閉じ込められていた水蒸気と二酸化炭素が急速に膨張し、激しく押し出されます。この急激な圧力の変化によって、水蒸気と二酸化炭素が瞬間的に氷へと結晶化し、その後すぐに凝縮して霧となり、瓶の外に流れ出るのです。

Creidit:livescience

そしてコルク発砲後の1ミリ秒以内に起こるのが、数少ない可視的な衝撃波であるこの「マッハ・ディスク」なのです。しかし瓶の中の圧力が元に戻ると、すぐに消えてしまいます。

色の変わっている四角い部分が「マッハ・ディスク」/Creidit:livescience

保存温度で衝撃波のタイプが変化

研究チームは、実験として、4本のシャンパン・ボトルを用意しました。内2本は30度と高めの温度で、あとの2本は室内と同じ20度で3日間保存されています。

これらのシャンパンは、製造後42か月が経過しており、「瓶内二次発酵(prise de mousse)」と呼ばれる発酵プロセスを受けています。

一般的な「発酵(Fermentation)」は、「キューブ」と呼ばれる発酵タンクの中で8〜10週間に渡り発酵させます。

この「瓶内二次発酵」は、そのあとの過程で、これをすることにより炭酸ガスが発生して、シャンパンやワインに溶け込み発泡し始めるのです。

Credit:pixabay

そして、実験の結果、30度保存のボトルは、コルク開栓直後、大きな氷の結晶を作り、その結晶が光を散乱させるおかげで、より灰色がかった白の霧ができました。反対に、20度保存のボトルは、小さな結晶を作り、より青みがかった霧となったのです。

これは、温度が高くなるほど二酸化炭素の溶解度が低下するため、より高温で貯蔵されるボトルのネック部には多量のガスが存在しやすくなることが原因です。そのため、30°Cで保存したボトル内のガスは、20°Cで保存したボトル内のガスよりも高い圧力下にありました。

 

Belair氏は「マッハディスクは、航空工学の分野ではよく知られた現象ですが、シャンパンの研究において発見されたのは今回が初めて」だと話します。

これからパーティーの際は、コルクの飛距離ではなく、衝撃波に注目してみるのもいいかもしれません。ただ、眼球への直撃には気をつけたいところです。

まるで錦絵。超音速ジェット機が生む衝撃波を捉えた「シュリーレン写真」

reference: livescience / written by くらのすけ