都市伝説・オカルト

キリストを裏切ったユダの福音書、すべてはキリスト自身の指示だった!?





日本において裏切り者の代名詞と言えば、関ヶ原の戦いで裏切った小早川秀秋や本能寺で主君・織田信長を討ちとった明智光秀が挙げられる。欧米において裏切り者と言えば、十二使徒の中で教団の金庫番を務めながら、銀貨30枚でイエスを裏切ったユダが挙げられる。

今回は「ユダの福音書」について記録を残しておきたい。あくまで山口敏太郎の覚書のようなものであり、他者の信仰心を否定するものでもなく、論争を前提とするものではない。

裏切り者のユダ、そんなユダのイメージを覆す文献が発掘された。それが世界中を驚かせた「ユダの福音書」である。この発見された文献には220年から340年の成立と推定され、当時地中海で勢力を誇っていたグノーシス派によるものと言われている。




西暦180年ごろに書かれたと言われるエイレナイオスの『異端反駁』にも「ユダの福音書」の記述は見られることから存在は知られていたが、その写本の類は発見されていなかった。「マグダラのマリアの福音書」と同じく異端と言われる文献である。

1978年、エジプト中部のある洞窟にて盗掘者がコプト語で記された写本を発見。この写本には3,000,000ドルを超える法外な価格がつけられ、古物商の間で取引されたが、当初は「ユダの福音書」だとは気がつかなかった。エール大学の分析によりその重要性が明らかになり、保存状態が劣悪であったため紙面の品質が劣化していたが復元されようやく解読された。

その内容は驚くべきものであった。ユダがキリストの指示でキリストを売り渡したとか、キリストが時々子供に見えたとか、間違えた信仰を行っている人々をキリストが笑ったとか、まさにグノーシス主義との関連が疑われる異端の情報が記載されていたのだ。




キリストは自らの魂を肉体から解き放つために、ユダに自分を売らせたと言うわけだ。となるとユダのイメージが全く変わってきてしまうのだ。また、ゴルゴダの丘で十字架にかかったキリストが死後復活したと言う部分には全く触れられていない。

この文献の存在自体が陰謀論だという批判もあり、科学的に放射性炭素14による年代測定法による鑑定も行われたが、西暦3世紀から4世紀という結果が出てしまった。キリストの死後、裏切り者と呼ばれ首つり自殺をしたとか、銀貨で買った土地で転落して死亡したとか、言われてきたユダの新しい見方が出てきた事は、評価に値するのではないだろうか。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©Antonio López in PIXABAY