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びっくりカラー! モモンガは鮮やかなピンク色に発光することを発見

Point
■米国に生息するモモンガ3種のうち2種が、性別や季節に関係なく、紫外線で体毛が鮮やかなピンク色に発光する
■発光は、夜間時の認識やコミュニケーション、またはカモフラージュや擬態と関係していると推測
■白い雪の中では紫外線がよく反射するため、発光した色はより見えやすい

木々の間を滑るように飛ぶことができるモモンガは、げっ歯類の中でも一目置かれた存在です。

最近の研究で、彼らがさらなる隠し玉を持っていることが明らかになりました。紫外線に当たると、なんと体毛が鮮やかな蛍光ピンクに発光するとのこと。ある色(つまり波長)の光を吸収し、別の色を排出する「生物発光」を行う哺乳動物は、かなり稀です。空を飛べるばかりか、ピンク色に光るとは…なかなかのやり手です。

研究を行ったのは、米ノースランド大学の生物学者ポーラ・スピース・アニッチ氏と森林学者ジョン・マーティン氏ら。論文は、雑誌「Journal of Mammalogy」に掲載されました。

Ultraviolet fluorescence discovered in New World flying squirrels (Glaucomys)
https://academic.oup.com/jmammal/advance-article-abstract/doi/10.1093/jmammal/gyy177/5299493?redirectedFrom=fulltext

UMAかな?ピンク色に光るモモンガ

ある夜、マーティン氏がウィスコンシン州の森を歩いていた時のことです。マーティン氏が紫外線ライトを持ち、発光する性質を持つ地衣類、きのこ、植物、カエルが生息する林冠を照らしながら調べていると、餌台の上からモモンガの鳴き声が聞こえました。ライトを当てた彼が見たのは、なんとピンク色に光るモモンガ。オカルト研究家が見れば完全にUMAです。彼も、目撃した瞬間心底驚いたといいます。

マーティン氏から話を聞いたアニッチ氏は、ミネソタ科学館とフィールド自然史博物館に、モモンガの皮膚の調査を依頼することにしました。

米国国内には、北西部からカナダにかけてと、米国の東部から中部にかけて、3種のモモンガが生息しています。研究チームは、昼光下と紫外線下でそれぞれの種の写真を撮影し、空中を飛行しないリスの写真と比較。発光の強さを計測しました。

その結果、リスには発光が見られなかったのに対し、3種のモモンガのうち2種がどちらも生息地に関係なくピンク色に発光することが判明。グアテマラからカナダ一帯にかけて生息するモモンガ”Glaucomys”に、性別や季節に関係なく見られる現象だと分かりました。

雪が鍵?紫外線でのコミュニケーション

発光する哺乳動物としてよく知られているのは、有袋類のオポッサム数十種だけです。米国各地に生息するオポッサムとモモンガは、位置する生態系も食事も異なりますが、ただ1つ共通点があります。それは、どちらも夜行性であること。この点で、昼行性のリスとは大きく異なります。

夜間は紫外線が比較的豊富なため、夜間に活動する動物にとって紫外線が見えることは重要です。このことから、モモンガの発光は夜間時の認識やコミュニケーションと関係していると、アニッチ氏らは考えています。

特に雪深い環境での移動には、発光は合理的です。真っ白な雪の中では紫外線がよく反射するため、発光した色はよりはっきりと見えやすくなります。3種のモモンガすべてが雪が多い地域に生息していることから、雪が仲間同士のコミュニケーションを後押ししているのではないかと、アニッチ氏らは指摘しています。

異性へのアプローチという説も

Credit: photoac / エゾモモンガ

一方で、モモンガの発光を、自分が健康で元気なことを異性に示すための信号だとする説も存在します。蛍光ピンクに怪しく光るオスのお腹に身悶えするメス…。ちょっぴり面白くはありますが、季節や性別で発光の仕方に違いが無いことから、アニッチ氏はこの説には反対のようです。

代わりに、アニッチ氏らは、モモンガがカモフラージュや擬態のために発光している可能性を提唱。木々の根本を覆う地衣類の多くも発光しますが、モモンガはこうした環境にうまく身を溶け込ませるために光るのかもしれません。もしくは、フクロウの中にはお尻がピンク色に光るものがいますが、モモンガはその色を真似てフクロウのフリをしている可能性もあります。

気になるのは、「米国以外の地域に生息するモモンガも光るのか?」ということ。モモンガの目にこの世界がどう見えているのか、そして私たちの目にモモンガがどう映るのかを理解することは、彼らの生息地の保護に欠かせません。

 

紫外線で光る「スペシャルマント」を身にまとった哺乳動物。昼行性の私たちには見えないだけに、彼らの仲間が他にも存在する可能性を暗示するこの研究の意義は大きいでしょう。

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reference: nationalgeographic / translated & text by まりえってぃ