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あくびは「脳の冷却するため」の機能という新説が発表

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Point
■あくびには脳を冷却する機能があるかもしれない

■温湿布と冷湿布を首に貼った実験で、冷湿布を貼った場合の方が有意にあくびの回数が減少した

■これはあくびの伝染が発生するのは、室温が20℃周辺の場合に制限されるとの研究報告と一致している

おい、お前! 今あくびしただろ。真面目に話を聞く気がないのか!

今回の研究の報告者たちは、自身の発表中にあくびした聴講者へ口が裂けてもそんなことは言わないだろうが、世の中ではそんな理不尽なお叱りを受けることがあるだろう。

あくびは何かと社会では悪印象を持たれることが多いようだが、しかし誰にでも起きる生理的な反応に、何の意味も機能も備わっていないとは考えにくい。

今回の研究では、そんなあくびが持っているかもしれない機能について検証したもので、あくびが脳を冷却するという仮説を支持するための有意な結果を得たと報告している。

この研究は米国の生物学、心理学の研究チームより発表され、Physiology & Behaviorに掲載されている。

Manipulating neck temperature alters contagious yawning in humans
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0031938419302665#!

あくびの科学

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指の関節が鳴る理由をはじめ、何気なく普段する動作なのに、科学の世界では意外に原理が正確に把握されていない生理現象が多くある。

あくびもそんな科学の意外な謎の1つだ。

「あくびが伝染る」という現象を聞いたことがあると思う。

これについては生理的な面と心理的な面、どちらかで検証される場合が多い。心理面の検証は主に他人の行動の意図しない模倣という説が主流になっているが、生理面で考えた場合、同じ環境にいることが要因であくびが発生しているという考え方になる。

酸素濃度の低下、というのもそんな仮説の1つだが、他に生理面で唱えられている仮説が脳の冷却機能という考え方だ。

脳の冷却があくびの目的という主張には、過去の研究で室温が20℃周辺のときにのみあくびが伝染するという報告も根拠の1つになっている。寒いとあくびは伝染しないようなのだ。

そこで今回の研究者たちは、実際に頭蓋体温を上昇させることで、あくびが誘発されるかの実験を行った。

脳を温めてみた

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今回の研究では、首の頸動脈に当たる場所を「冷却」「温め」「室温」という条件で5分間ほど抑えて脳の体温を変化させる実験を行った。

実験の参加者は92人で、上記の首への温度変化を与えた後、短いビデオを見せている。どれだけ退屈なビデオなのかはわからないが、実験では前夜の睡眠時間の確認も行っており、結果に影響を与えないように配慮しているという。

結果としては、首を冷却した被験者は有意にあくびの衝動、頻度が低下したという。

この結果は室温20℃周辺であくびが伝染するという研究結果ともよく一致しており、脳が温まることでそれを冷却する目的であくびが発生していることの証拠を提示している。と研究者たちは語っている。

ほんとかな?

確かに、実験結果では首の冷却時と温め時では十分有意な差が確認できたと報告されている。

しかし、注意すべき点もこの研究には存在している。

サーモグラフィーによる確認も行っているのだが、あくびしたからといって、特に頭部の温度に変化は見られなかったというのだ。また、冷却時のあくび頻度は下がっているが、室温(22℃)と温め(46℃)ではとくに有意な差が見られなかったという。

これはあくびが単に代償的な冷却機構に過ぎないためかもしれない。

果たして、あくびが脳の冷却を行っているのだろうか? しかし、首を冷やすことによってあくびを低減できることは確かなようだ。これは科学的に新しい知見を示したと言える。

この研究を見ると、あくびの言い訳に「脳を冷却していただけです」と言いたくなるかもしれない。しかしそれよりは、重要な会議の前には頸動脈に冷却材を貼っておくほうがよりスマートだ。

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reference:psypost,TEDEd/ written by KAIN