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「3つの太陽」を持つ惑星が見つかる

今回の発見とよく似た三重連星系の惑星グリーゼ667の想像図/Credit:ESO/L. Calçada/wikipedia

Point

■3つの赤色矮星による3重連星LTT1445に地球型の惑星が発見された

■この惑星からは1つの巨大な太陽と、遠くに浮かぶ2つの小さな太陽が見えると想像される

■頻繁に恒星の前を通過するため、分光分析の理想的な観測対象として天文学者に注目されている

赤い三連星と呼ばれる3重連星系に地球型の惑星が発見されました。

この連星系は「LTT1445系」と呼称されていて、赤色矮星に分類される3つの太陽を持っています。

発見された所属惑星は木星のようなガスの星ではなく、地球や火星などと同じ岩石で構成された地球型の惑星です。

連星系の1つの太陽に非常に接近していて、他の2つの太陽からは大きく距離を開けているため、この惑星から空を見上げると、1つの巨大な太陽と、遠くに2つの小さな太陽が浮かぶ幻想的な景色が見えると想像されています

なんだかとてもSFチックなロマン溢れる景色ですが、太陽との距離が近すぎるため非常に高温で、生物の生存には残念ながら向かないようです。

この惑星の発見の重要な点は、22.4光年と非常に私たちの太陽系から近い距離で、恒星と食を起こす惑星が見つかったことです。

これは、食を起こす惑星としては太陽系から2番目に近い天体となり、さらに赤色矮星に対して食を起こしている惑星では一番近い天体になります。

そのため、天体観測おける様々な重要情報をもたらしてくれる天体として期待されています。

この研究は、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天文学者を筆頭著者とした研究チームより発表され、今後「The Astronomical Journal」へ掲載予定となっています。現在は、カーネル大学arXivにて公開されており、論文はフリーで誰でも閲覧が可能です。

Three Red Suns in the Sky: A Transiting, Terrestrial Planet in a Triple M Dwarf System at 6.9 Parsecs
https://arxiv.org/abs/1906.10147

赤い三連星

「LTT1445系」は赤色矮星の太陽を3つ持っています。

それぞれの太陽の名前は、「オルテガ」「マッシュ」「ガイア」と呼びたいところですが、連星系番号にアルファベットを振った「LTT 1445 A/B/C」という非常に素っ気ない名前が付けられています。

赤色矮星とは、私たちを照らす太陽と比べた場合、質量が8%〜40%程度しか無い非常に軽い恒星のことです。軽いために中心核の圧力が弱く、核融合反応は非常にゆったりしたペースで起こっています。そのため、表面温度も低く、サイズが小さい恒星です。

RedDwarfNASA

さらに核融合が遅いために燃料を使い切るまでに多くの時間を掛けるため、非常に長寿の星でもあります。赤色矮星の寿命は1000億年から長ければ10兆年に及ぶとまで言われています。そこまで宇宙が保つのかわかりませんが。

「ああ、私は星に例えたら赤色矮星かもしれない」、思わずそんなことを考えてしまう人も出てきそうな、低燃費スローライフを送る星、それが赤色矮星なのです。

赤色矮星は宇宙でもっともありふれたタイプの恒星と考えられています。しかし、小さく光度も低いためあまり発見されておらず、研究が進んでいない星でもあります。

3つの太陽を持つ惑星

3つの太陽を持つといっても、今回の発見惑星は連星系で一番大きいA太陽に非常に近い軌道を回っており、他のBC太陽からはほとんど影響は受けていないようです。

サイズは地球の1.35倍で、質量は8.4倍と大きく非常に密度の高い惑星です。

人間が住もうと思ったら、ドラゴンボールの重力トレーニング状態になってしまうかもしれません。

しかし、もっと生命にとって問題なのは、この惑星が太陽に非常に近い位置を回っているという点でしょう。これは赤色矮星の質量が小さいためだと考えられますが、この惑星の1年は5.36日間しかありません

また太陽に近いために表面温度は428K(155℃)近くに達していると考えられ、フレアなどの恒星活動の影響も強く受けている可能性が高いです。

赤色矮星を周回する惑星の想像図/Credit: NASA/ESA/G. Bacon (STScI)

そのため、生命の生存には残念ながらまったく向いていない惑星のようです。

赤色矮星の影響を知るための貴重な観測対象

生命が見つかったり、移民できそうな惑星じゃないのか、とがっかりした人も多いでしょう。しかしこの惑星は、天文学者たちにとっては非常に重要で貴重な天体のようです。

その理由は、地球にもっとも近い距離で発見された赤色矮星と食を起こす天体だからです。

恒星と惑星が食を起こすと、光の減衰が検出できるため、そこから詳しい公転周期や軌道、重力の影響などが測定できるようになります。それは惑星のサイズや質量、密度などを正確に測定できることを意味します。

上に示した惑星の詳細データは、ここから得られた情報です。

また、惑星を包む大気の化学組成が光の特性を変化させるため、それによって惑星大気の状態や赤色矮星から受けている影響なども詳しく調査できるようになります。

さらに公転周期が非常に短いため、頻繁に恒星の前を通過してくれるので、これらのデータがより多く取ることができるのです。

これは赤色矮星自体の研究にも大きく貢献してくれることが期待されています。

なので、この天体はいろいろな意味で天文研究にとってありがたい存在なのです。

私達にとって面白い発見なのは、赤色矮星との連星であれば、複数の太陽からあまり大きな影響を受けることなくスター・ウォーズに登場するタトゥーインのような2つ以上の太陽を持つ惑星が実現できるとわかったところでしょうか。

©Lucasfilm Ltd. LLC

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reference:zmescience,sciencealert,NASA/ written by KAIN